ヨーロッパの大手旅行TUI社は、今年夏の予約数が前年比56%増の280万件にのぼり、平均価格も20%増加していることを明らかにした。前年夏の予約数の80%ほどに回復していることになる。ただし、依然として先行きは不透明で、各国は旅行規制や隔離対策を実施していることから、予約のタイミングは例年よりも遅くなっているという。
TUIグループのフィッツ・ジャウセンCEOは、「EUの貯蓄率はこれまでになく高いため、人々の消費欲も高まっている。旅行意欲も高く、多くの人々が旅行に出かけることを望んでいる」とコメントし、旅行市場の早い回復に期待感を表した。TUIでは、今春にもヨーロッパでは旅行の自由化が可能になるとの見通しも示している。
また、パンデミックのもとでは、安全性や信頼性の高い衛生管理などから、パッケージツアーの重要性が増すとの見方を示している。TUIでは、昨年夏に一時的に旅行商品の販売を再開し、250万人以上を送客したが、そのなかで確認された陽性者は364人、10万人あたり7日間平均(2020年6月15日~12月31日)の発生率は0.54だったという。
なお、TUIは2021年第1四半期(2020年10月1日~12月31日)の営業実績も発表。それによると、ヨーロッパでは大規模な旅行規制が継続されたにもかかわらず、4億6810万ユーロ(約590億円)の収益を確保(前年同期は38億5000万ユーロ(約4870億円))。調整後EBITは前年同期の1億4670億ユーロ(185億円)の赤字から6億9860万ユーロ(約885億円)の赤字に大幅に膨らんだ。
※ユーロ円換算は1ユーロ126円でトラベルボイス編集部が算出