香港政府観光局(HKTB)は、将来の旅行市場の回復に備え、2021~2022年度のワークプランとして短期および中長期の観光戦略を策定した。予算総額は11億3800万香港ドル(約160億円)。
このうち、短期戦略では総額の35%を投じ、香港人による香港市内旅行を促進し、地域消費を促す。また、新型コロナウイルスの感染状況が安定した段階で、香港人向けに「ステーケーション・デライツ」と呼ばれる復興プログラムを推進。ローカル体験などを訴求していく。さらに、香港政府がローカルツアーの規制を解除した時点で、第2フェーズとして「フリーツアー」プログラムを展開する。
このほか、HKTBは、インバウンド旅行の回復に合わせて、「オープンハウス香港」と呼ぶ大規模なプロモーションプラットフォームをローンチし、香港への旅行意欲を高めていくほか、中国本土向けには、粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)への観光客誘致を強化する。
中長期戦略では40%の予算を投下。地域観光の持続可能な発展を目指し、インバウンド旅行市場の回復に合わせて、主要市場においてデジタルプラットフォームを含むマルチチャネルで新ブランドの大規模プロモーションを展開する。また、グローバルで粤港澳大湾区のプロモーションを展開し、観光ブランド力を上げていく。さらに、デジタルプラットフォーム上でデジタル旅行体験を創出・強化する。
残りの25%は、現在進行中の施策に充当。HKTBスポンサー会員のトレードイベント参加への補助、MICEおよびクルーズでのプロモーション支援のほか、国際的に香港の露出を維持していくために、香港市内で行われるイベントを支援あるいは主催していく。
※香港ドル円換算は1香港ドル14円でトラベルボイス編集部が算出