新型コロナウイルスの拡大で、2度目のステイホームが叫ばれるゴールデンウィークが始まった。観光地への人出は、2020年よりは増加が見込まれるものの2019年比では大きな減少になるとみられる。そこで、昨年の日本人の休暇の過ごし方を振り返ってみた。
エクスペディアが毎年実施している「有給休暇の国際比較調査」の中で、2020年のコロナ禍での休暇の過ごし方として、日本人が世界一「ステイホーム率」が高かった結果がでている。取得した休暇の過ごし方を聞いた質問で、「どこにも行かずに家で過ごした」と回答した日本人は76%。同質問に対するアメリカの34%、イタリアの20%などと大きな差が出る結果となった。日本はロックダウンといった措置はなかったにもかかわず、多くが感染防止のため自主的に外出を控えていた国民性がうかがえる。
調査は2020年11月18日~12月9日の期間中、インターネット上で実施したもの。日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、香港、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、台湾の16地域、約9200名から回答を得た。
2020年は世界的に有給休暇の取得日数が少なかった
2020年は世界的に有給休暇の取得日数が例年と比較して少ないことも明らかになった。日本人は通常の年間10日に比べ、9日とほぼ変わらなかったが、アメリカ人が10日から5日へ、シンガポール人が14日から8日へなどと、大きく減少している。理由は「新型コロナの影響でどこにも旅行できない」が世界平均で33%と最多。ただ、日本人は12%にとどまり、休暇を取らない最大の理由は「緊急時のために取っておく」(30%)だった。
日本人のコロナ禍での昨年の旅行習慣は、「人の多い人気の旅行先は避ける」(28%)、「居住地の近くへ出かける」(22%)、「公共交通機関ではなく、車を利用する」(15%)など。3密を避けるとともに、マイクロツーリズムのニーズが高まりがみてとれる。
なお、日本人の2021年の旅行については、「予定より旅行に費用をかけようと考えている」人が6割、「死ぬまでに行きたい旅行先リストが増えた」人も55%に。ワクチン接種への関心も高く、感染対策へ高い意識を持ちながら、またいつか行きたいと旅行熱が高まっているようだ。