動画アプリ「TikTok」は、旅行マーケティングでどのように活用できるのか? 旅行業界担当者が語ったアプローチ手法【外電】

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「TikTok(ティクトク)」とは? と誰かに聞けば、ネコの面白い表情、度肝を抜くマジック、あるいはテント設営方法をわずか1.5秒にまとめたものまで、実に様々な動画リンクの集中砲火を浴びることになる。

若い世代向けの動画シェアのネットワークで、気分転換にぴったりの気軽なコンテンツは、クチコミで拡散されていく。若者の現実逃避を助長する、という否定的な見方もあるかもしれないが、そこにはシェアリングによるエコシステムが生まれつつあり、創造性や楽しみにあふれている。

一度見ると、やみつきになるのもTikTokの特徴だ。つまりマーケティング担当者から見れば、利用価値の高いエコシステムができあがっており、これをうまく攻略すれば、利益拡大につなげることができる。

そもそも旅行というのは、視覚や聴覚など、感覚的な刺激との関連が深い体験だ。TikTokのようなメディアで情報やコンテンツを楽しんでいる消費者に目を向けることは、旅行各社にとって、大きな商機につながるのではないか。

TikTokを視聴しているユーザーは、まだ旅行の予約を確定する段階には至っておらず、あれこれチェックしているか、それ以前の状況にある場合が大半だ。こうした客層にアピールするソーシャルメディアといえば、旅行分野ではインスタグラムの認知度が高いかもしれない。ただし、TikTokでは(いかにも広告っぽい商品アピールを全面に押し出すのではなく)慎重に戦略を練ってユーザーにアプローチしたい。

TikTokの旅行業界担当者が語るアプローチ手法とは?

2021年4月末、フォーカスワイヤのインタビューに応じたTikTokの旅行ブランド担当パートナーシップ責任者、ハンナ・ベネット氏は、「まずはTikTokのアプリをダウンロードし、どんなコンテンツがあるのか、自身で色々、体験してみるところから始めてほしい」と話す。

ベネット氏によると、英国・欧州市場では、マスターカードやボディショップなどの大手ブランドが、すでにマーケティングにTikTokを利用している。旅行業界でも、スイス観光局、エクスペディア、ラストミニッツ・ドットコムなど、TikTokを活用している企業や団体は増えているが、最近、業種別で最も目立つのは航空会社だ。ヴァージンアトランティック航空、ライアンエア、ユナイテッド航空、アラスカ航空など様々なタイプの航空会社が活用しており、実績も上々。「ライアンはすでに50万人のフォロワーを獲得している。スイス観光局が実施したキャンペーンのエンゲージメント率も20%と高い数字だ」(ベネット氏)。

これからTikTokでのマーケティングを考えている企業に対しては、第一段階として、まずは自社アカウントを作成し、投稿しながらユーザーとのコミュニケーションを図るというオーガニックなアプローチをすすめている。こうしたなかで、ユーザーのプロファイルや反応をある程度、確認できたら、次の段階として有料広告も視野に入れる。

「オーガニック戦略と広告戦略を組み合わせることで、ユーザーからの信頼と、よりフレキシブルなコンテンツ提供を両立できる」とベネット氏は話す。昨年来の状況下、広告予算が無尽蔵にあるとはいいがたい旅行業の状況も踏まえつつ、「どんな業種、どんな予算規模でも色々な展開手法があるのもTikTokの利点」と同氏はアピール。またTikTok特有のポイントとして「ユーザーの関心をひく重要なカギはサウンドになる。新しい手法も次々登場している。TikTokの場合、音声なしで利用するユーザーはいない」と指摘する。

ユーザーの年齢増が若い世代に限られているのでは?との懸念については「確かに2年前はZ世代やミレニアル世代が中心だったが、今ではユーザーの世代も、コンテンツの分野も多様化している。英国では、音楽シーンから様々な教育活動まで、内容は急速に広がっている」と話した。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事・動画:VIDEO: TikTok on next-generation travel marketing on social media

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