沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は2021年5月27日、定例記者懇談会を開催し、2021年度のゴールデンウイーク(GW)入域観光客数が、2019年度比で63.9%減の6万9140人にとどまったとの見通しを発表した。今後も緊急事態宣言延長の影響で厳しい状況が予測されるなか、出発地でのPCR検査の促進、到着の際の水際対策を強化し、書き入れ時の夏に向けて模索する。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の主要都市での延長、5月23日に沖縄県でも発令されたことに伴い、5月以降の観光需要も低迷を予想する。5月の入域観光客数は2019年同月比で79.6%減の16万9950人、6月は同80.3%減の17万940人と前回予想より下方修正。7月は同58.9%減の39万6480人を想定している。
OCVB会長の下地芳郎氏は、「観光客由来の県内での新型コロナウイルス感染拡大が少ないとはいえ、空港での水際対策をさらに強化するのが不可欠」と言及。来県者に対する出発地でのPCR検査の重要性を訴えたほか、沖縄到着時の検査、さらにワクチン接種を対象とした証明書による受け入れの簡素化など、観光客、受け入れ側双方の安心感を高めるためのルール作りが不可欠との考えを示した。
また、県内の感染もさまざまな場所で発生している状況を踏まえ、「分散化」を意識した観光施策が必要と強調。「沖縄本島、宮古島、石垣を中心とした八重山諸島の3エリアごとの対策をより明確化すべき」と述べた。
「奄美・沖縄」世界遺産登録へ
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(奄美・沖縄)」が5月10日に世界自然遺産候補地の登録審査前段階となる、登録勧告を受けたことについては、「関係機関と連携しながら環境保護をはじめ持続可能な観光受け入れを主としたPR展開を進めていきたい」(下地会長)との方針。ユネスコ世界遺産には「北海道・北東北の縄文遺跡群」が登録される見通しとなったが、「奄美・沖縄」も登録されれば、日本の世界遺産は文化20、自然5の計25件となる。