日本旅行業協会(JATA)は、2021年4月に実施した「『新』感染対策モニターツアー」の実施報告を行った。この取り組みは、「新しい旅のかたち」を検証するために行われたもので、クラブツーリズム、JTBメディアリテーリング、T-LIFEホールディングス、⽇本旅⾏、阪急交通社、名鉄観光サービス、読売旅⾏、ワールド航空サービスの8社が参画。9コースに計154人が参加した。
実施した対策は、陽性判明時の参加者による報告体制の確立、追跡アプリCOCOAの登録、ツアー実施前のPCR検査、健康チェックシートを活用した体調管理(タビマエ1週間、タビナカ、タビアト2週間)の4項目。
各社はツアーで感染対策ガイドラインを遵守している観光・食事・宿泊施設を選定。行程は自由散策など密を避ける観光と長めの滞在時間を用意した。
また、バスでは1人2席利用で相席はなし。希望に応じて飛沫防止様パーテーションを設置し、車内での飲食を禁止したほか、マスク着用でも会話を極力避けてもらった。
観光では、このツアー限定の貸切見学を実施。必要に応じてガイドリシーバー/イヤホンガイドを利用した。さらに、参加人数に応じてグループを分けて複数ガイドを手配した。
宿泊先の食事会場では、夕食、朝食とツアーの専用個室を利用。ソーシャルディスタンスを確保し、グループ毎に席を配置し、アクリル板などを設置した。
こうした対策の結果、最終ツアーから2週間経過後、参加者の陽性報告はなかった。
JATAはツアー後に参加者に対してアンケート調査を実施。それによると、感染防止対策のなかで最も評価が高かったのは、「参加者全員が事前にPCR検査を受けていること」。ツアーにPCR検査を付けたほうがいいと回答した参加者は78%だった。
また、健康チェックシートを活用した健康管理については、改善点としてスマホでの報告やアプリでの記録を望む声も聞かれた。