ドイツ観光局、日本市場の本格回復は2023年からと予測、サステナブル旅行への関心高まりで「自然」をテーマにアピールへ

ドイツは2021年6月6 日から日本人渡航者に対する入国制限を解除している。入国前48時間以内の抗原検査、あるいは72時間前のPCR検査で陰性であれば、陰性証明の提示により、すべての日本人の入国が可能になっている。

ドイツ観光局がオンラインで実施したプレス発表会で、同局アジア地区統括局長・日本支局長の西山晃氏は、「日本人は制限なく入国できるようになったが、外務省のドイツに対する感染症危険情報がレベル3のままであることから、旅行会社は送客に向けた具体的なアクションが起こせない」と話し、需要回復に向けては日本側に課題があるとの認識を示した。

そのうえで、パッケージなど団体旅行については、「ワクチン接種の状況から、欧州への送客は2022年春ごろからが現実的ではないか」との見通しを示した。

また、個人旅行については、入国制限が解除されことで、ドイツへの渡航は可能な状況だが、西山氏は「帰国後の14日間隔離が足かせになっているため、状況は厳しい」との認識を示す一方、「今後の日本のワクチン接種状況によって、日本の制限条件も緩和されてくるだろう」と期待感を表した。

ドイツ観光局西山氏(左)と大畑氏2020年1月~2021年1月までの日本人の宿泊数は前年同期比78.2%減。2020年4月からは前年同月比で90%以上の減少が続いているものの、ゼロではなく毎月5000泊ほどあり、「日本からのビジネス旅行が僅かながらも動いていたようだ」(同局広報マネージャー大畑悟氏)。

ドイツ観光局では、日本市場について、2023年から本格的に回復すると見立て、宿泊数を2019年度比4%増の約125万泊と予想している。レジャー市場については、団体旅行が減少あるいは小グループ化する一方、個人旅行が増加すると見ている。

また、ドイツ旅行で求める体験として、コロナ前と同様に、城・宮殿、街歩き、美術館・博物館が高いことから、都市と文化を訴求ポイントとしてプロモーションを進めていく考え。加えて、新型コロナウイルスによって、日本人のあいだでもサステナブルツーリズムへの意識が高まっていることから、自然をテーマとした素材も提案していく方針だ。

中規模都市に焦点を当てた新キャンペーン開始

ドイツ観光局では、今年6月から新たなグローバルキャンペーン「German.Local.Culture」を開始した。「粋 (建築様式・文化体験)」「匠(ギルド・職人)」「食(ビール・ワイン)」「緑(サステナブル)」をテーマに、中規模都市に焦点を当てた訴求を高めていく。日本では、8月にかけて「ゲーテ街道」、9月から11月にかけて「クリスマスマーケット」を取り上げ、ツイッターなどでは「#YoursTrulyGermany」でキャンペーンを展開する。

また、7月にはサステナビリティ・キャンペーンとして「FEEL GOOD」もローンチ。環境先進国でSDGsでも世界をリードするドイツをアピールしていく。

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