星野リゾート、カテゴリ別のブランド戦略を加速、旅館「界」と都市観光ホテル「OMO」、星野ブランドから自立目指して

星野リゾートは同社が展開する各カテゴリ別のブランド戦略を加速する。温泉旅館ブランド「星野リゾート 界」と都市観光ホテルブランド「星野リゾート OMO」の施設名の表記を変更。最上級ブランドの「星のや」では、ブランドコンセプトを以前の「現代を休む日」から、新たに「夢中になるという休息」に変更した。

変更は、各サブブランドのイメージをさらに明確にするためのもの。メディア向けオンラインイベント「星野リゾート LIVE 2021 秋 」に出演した、星野リゾート代表の星野佳路氏は、「当社はサブブランドを複数持つ、サブブランド戦略をとっている。サブブランドのあるべき姿は、『星野リゾート』というマスターブランドから自立すること」と説明。すでに「星のや」はマスターブランドから自立しているが、これに次いで「界は親離れしようと努力しているところ。OMOも自立を目指す段階に移ってきた」という。

今後、「界」の施設は、「星野リゾート」がない表記に変更(例:「星野リゾート 界 箱根」は「界 箱根」)。「OMO」は「星野リゾート」の代わりに、「by 星野リゾート」をつける(例:「星野リゾート OMO5 東京大塚」は、「OMO5 東京大塚 by 星野リゾート」)。

星野代表

星野リゾートでは現在、国内外合わせて51施設を運営。コロナ禍の2020年以降も施設数を拡充し、特にOMOでは2022年までの半年で、京都祇園(OMO5)と東京赤坂(OMO3)、と小樽(OMO5)、札幌すすきの(OMO3)、大阪(OMO7)の5件の開業を控える。

星野氏は、「観光の危機こそ運営会社の力が試されている」と述べ、コロナ禍でも様々なプロジェクトが日本各地で発生していることを説明。「我々を頼っていただいた施設を再生させることに一生懸命取り組む」と話した。

なお、同社ではかねてより温泉旅館として北米への進出を目指している。コロナ禍の現在でも、調査チームが現地で地方の温泉噴出地などでチャンスを探しており、星野氏は「よい報告ができると思うので、期待してほしい」と、新たな挑戦に自信を示した。

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