メルペイとOTAのエアトリは、スマホ決済サービス「メルペイ」で、後払い決済サービス・キャンペーンを実施する。これは、新型コロナウイルス収束を見据えた消費活性化施策として展開するもので、期間は2021年12月14日まで。エアトリのほか、ふるさとチョイス、@COSME SHOPPING、スシローなどメルペイ加盟の10店による共同キャンペーンとなる。
キャンペーン期間中、指定の対象加盟店で購入した商品をメルペイの後払い決済サービス「メルペイスマート払い(定額払い)」に設定すると清算時に支払う定額払いの手数料が最大半年分無料になる。この期間、手数料はメルペイが負担する。手数料の上限は設けない。
メルペイ取締役COOの山本真人氏は発表会見で、「年末にかけて高まる消費を後払い決済サービスで応援していく」と、このキャンペーンの趣旨を説明。山本氏によると、9月30日の緊急事態宣言解除後、クレジットカード決済額に基づく消費指数はコロナ前と比較しても10%ほど上昇しており、「リベンジ消費が起きている」との認識を示した。
エアトリ取締役COOの王伸氏は「今後の旅行需要回復に向けて、サービスを拡充していくために、メルペイとのキャンペーンに参加した」と説明。同社のユーザーは、20代と30代が全体の5割強を占め、支払いはクレジットカードなどによる後払いが80%近くになることから、今回のキャンペーンは「ユーザーとの親和性が高い」と期待を込めた。
特に、来春の卒業旅行を計画する学生の利用に期待をかける。「学生にとってクレジットカード加入はハードルが高いが、メルペイは簡単に決済できる」と、その利点を強調した。例えば、今回のキャンペーンでは、11月に航空券を3万円で購入すると、12月~5月までの期間、1ヶ月あたり5000円ずつ定額て後払い。しかも手数料は無料になる。
現在のところ、エアトリユーザーの多くがクレジットカードを利用しており、メルペイ利用者の割合は高くないという。エアトリでは、卒業旅行をターゲットに、プロモーションも展開していく予定で、王氏は「メルペイユーザーはかなり飛躍的に伸びるのではないか」との見方を示した。
後払いは加盟店にとっても好機
一方、メルペイの主要ユーザーも20代と30代。山本氏によると、若者の間では、欲しいと感じたときに購入し、支払いは後で管理する「フレキシブル消費」が好まれているという。「メルペイスマート払い」のユーザー数も右肩上がりで増加。メルペイユーザー全体のうち、後払い決済サービスの利用経験者は約3割にのぼる。
メルペイとしては、メルカリで不要なモノを売り、そのお金を新たなモノの購入費に充て、メルペイスマート払いで支払うことで、購買機会促進のサイクルを回していきたい考えだ。
また、山本氏は加盟店のメリットも強調。ユーザーは、オンラインショッピングの際に、クレジットカードの情報を入力する手間が省け、チャージレスのため残高不足の心配もないため、加盟店にとっては販売機会損失を回避することが可能になる。また、分割後払いによって、高価格帯商品の販売機会が増えると付け加えた。
現在のところ、コロナ禍の消費拡大支援が目的のため、キャンペーン期間の延長も加盟店の追加も予定していない。しかし、山本氏は「このキャンペーンの効果を測定したうえで、新たな施策実施を判断していきたい」と今後に意欲を示した。