旅行者一人ひとりにガイドをつけるように、パーソナライズされたおもてなしができれば、その地域の魅力がもっと伝わる。その地を訪れた旅行者の満足度は向上し、そして、地域の「稼ぐ力」を高めることにもつながる。タビマエからタビナカ、タビアトまで、地域はどのように旅行者との接点を持ち、それぞれのニーズに沿った観光体験を提供できるのか。
顧客管理からマーケティング、カスタマーサービス、コマースなど、顧客と360度でつながるための統合CRMプラットフォームを提供するセールスフォース・ドットコムは、日本の「地域」にフォーカスしたデータ利活用の仕組みを構築。そのなかで、地域のデジタルを活用した観光客とのエンゲージメントや、データ活用による観光地域マーケティングを強化し、観光地経営を支援している。
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カスタマージャーニーを通じて、顧客満足と地域の「稼ぐ力」の向上を
新型コロナウイルスの感染状況は落ち着きはじめたが、各観光機関はインバウンドの回復を含め、コロナ前の状況に戻る時期を2024~2025年頃と予想している。それまでに必要なのは、動き始めた国内旅行の需要を掴み、体力を取り戻すこと。同時に、戻ってくることは間違いないインバウンド需要を獲得するための準備をすること。
その時に向け、地域では今、タビマエからタビナカ、タビアトまで一連のカスタマージャーニーの中で、観光客に感動やおもてなしを提供して満足度を高めると同時に、持続可能な地域観光経営に欠かせない「稼ぐ力」を向上させる打ち手が求められている。そこで、顧客との接点を強化するCRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)が重要な役割を果たす。
観光におけるCRMを簡単に説明すると、タビマエでは潜在的観光客を逃さず誘客する。そのためには、アンケートや行動履歴などで、観光客一人ひとりのプロフィールを把握することが重要になってくる。
タビナカでは、滞在中の適切なタイミングで情報配信をすることで旅行をサポートする。グルメやお土産情報を提供することで、現地消費を促すとともに、トラブルや困り事の解決にも手を差し伸べ、「行ってよかった」と地域に対する好印象を高める。
タビアトでは、帰宅後のSNS投稿、行動履歴、満足度調査などのデータを資産として活用。再訪を促すコンテンツを配信し、関心を引き止めるとともに、地場産品の「アト消費」にもつなげていく。それが、すぐに再訪が叶わない顧客の要望を満たし、地域へのエンゲージメントを強める機会にもなる。
この一連の取り組みを、ひとつのプラットフォームで実施することで、一人ひとりに寄り添うパーソナライズされた一貫性のある旅のサポートが可能となり、満足度もアップする。同時に、一つのプラットフォームで実行するからこそ、個別最適化しても顧客の情報やデータが分断されることがなく、施策全体の効果測定が可能になるという。
観光ソリューションデモ
Salesforceでできることとは
では、セールスフォース・ドットコムのクラウド支援を活用すると、具体的にどのようなことが可能になるのだろうか。2つの事例で、期待できる効果を見てみよう。
事例1:若い観光客に対する、興味に応じたオススメ情報の提供
若い男性が友人同士で行く長崎旅行のケース。その男性はまず、タビマエでは、旅行計画のために地域の観光情報サイトにアクセスする。そこに、アンケートを用意しておくと、その男性はアンケート項目に答える形で、電話番号、旅行の期間、旅行形態、興味・趣向などを登録する。
この情報がSalesforceに保存され、地域はその情報に基づいて、旅行形態や興味に合わせた情報を提供できる。現地での「体験」に関心があることが分かれば、旅行期間中に地域で開催される体験イベント情報を提供。夏なら、「ながさきみなとまつり」や「長崎花火大会」などの情報だ。あわせて、イベント会場付近で使えるクーポンも表示する。このような形で、興味に応じたタビナカの計画立案をサポートする。
タビナカでは、旅行の行程や興味に応じた情報を、適切なタイミングでLINE上にプッシュ通知。例えば、夜に長崎ちゃんぽんなどの飲食店情報を配信すると、翌日のランチ時の訪問が期待できる。さらに、旅行者が閲覧したサイトの情報から興味のスコアリングもできる。旅行者とコミュニケーションを重ねるほど、その行動履歴や興味・関心がSalesforceに蓄積される。すると、より精度の高いパーソナライズされた情報配信が可能となり、現地での消費拡大や将来のリピートが期待できるようになる。
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事例2:旅行中の高齢夫婦に対する問合せの高度化
次は、初めての大分での旅行中に困りごとが発生した、高齢の夫婦への対応のケース。オンラインが苦手な旅行者のために、電話対応などによるコンシェルジュ機能も用意している。
まずタビマエは、事例1と同様に、地域の観光情報サイトでアンケートに回答。
そしてタビナカで「大分の温泉に行きたい」と思ったこの夫婦は、スマホで地域の観光情報サイトのメニューを立ち上げ、そこから電話で問い合わせをする。入電すると、電話番号と事前に登録された顧客情報が自動的に紐づけられるため、電話を受けた担当者は、素早く旅行者の訪問地や興味に応じた対応ができる。
この夫婦は旅行の目的に「絶景スポット」をあげていたことから、電話対応では温泉情報とともに、大分のナイアガラと称される「原尻の滝」を推奨。問い合わせに対する最適な情報だけてなく、顧客の興味のある情報を的確かつ迅速に提案することができる。
道案内など電話での説明が難しい場合は、メールやSNSを利用し、動画や静止画で案内することも可能。こうした情報は、顧客のマイページに蓄積されるため、問い合わせを受けた担当者が変わっても、履歴を踏まえた上で提案や案内ができるのも大きな利点だ。
このほか、顧客の興味関心や行動データを積み重ねていけば、分析ツールとして活用することも可能。施策に対する効果検証、データに基づいた計画の立案や新しいサービスの立ち上げなどにも役立つ。
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一気通貫で観光地経営を支援
地域の魅力向上と「稼ぐ力」を強化していくためには、顧客接点を改革し、旅行者のタビマエ、タビナカ、タビアトを一気通貫でサポートする仕組みが必要になってくる。セールスフォース・ドットコムは、地域の特性にあわせて、それを可能にするクラウドソリューションをワンストップで提供。地域のコンシェルジュとして、顧客満足度が向上する観光地経営を支援している。
本記事の概要を、図表を用いてコンパクトにまとめた資料を用意しました。観光CRM事例のデモ動画も含まれています。観光客の体験価値を向上させ、地域の稼ぐ力をどう作り出していけるのか。詳細は こちら から。
お問い合わせ:電話 0120-733-257
記事:トラベルボイス企画部