観光・交通機関の現場で起きる「カスハラ被害」、客からのハラスメント経験者は約半数、航空は7割、SNS誹謗中傷が深刻化

全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)は、2021年5月~8月に全国の各公共交通機関や物流、観光産業の現場で働く2万908人を対象に、カスタマーハラスメント(カスハラ)の悪質クレーム・迷惑行為に関するアンケートを実施し、その報告書をまとめた。

その結果によると、迷惑行為・悪質クレームなどの「カスハラ被害経験がある」と回答した人は46.6%にのぼり、直近2年以内で「カスハラが増加している」と感じている人は57.1%と半数以上になった。産業別に増加の実感が最も高かったのは「航空」で69.1%、次いで「バス(63.8%)」「トラック(56.5%)」「鉄道(54.4%)」となった。

また、新型コロナウィルスによる、差別・偏見・誹謗・中傷などの迷惑行為被害は4230人(20.2%)が受けていたこともわかった。

報道資料より最も印象に残っているカスハラ行為の1位は「暴言」、2位は「同じ内容を繰り替すクレーム」、3位は「威嚇・脅迫」。具体的には、「暴力行為」は「鉄道」「タクシー」で多く、「SNS・ネット上での誹謗中傷」が多いのは「鉄道」「トラック」「バス」。またも「観光業」では「金品の要求」が多く見られた。

交運労協では、クレーム対応中の動画や写真の撮影、ネットやSNSでの誹謗、盗撮などを行うといったケースが実感値として増加しており、現場にとって新たなストレスの種となっている指摘している。

また、カスハラを行う利用者の大部分が男性で全体の86.4%、年齢別では7割が40代以上という結果になった。

対応時間は1日以内が96.5%を占め、そのうち1時間以上が17.1%。2日以上かかる場合、半年以上が22.1%にものぼった。

カスハラ被害後の心身状態についての調査では、50%が「嫌な思いや不快感が続いた」と回答。「不安な気持ち」「ハラスメントへの恐怖」「心療内科受診」「寝不足」など深刻な影響も見られた。

迷惑行為への対応は、「毅然と対応 (26.4%)」「謝り続けた(23.7%)」「上司への引き継ぎ(22.4%)」と大きく3つに分かれた。

このほか、企業のカスハラ対策について、「特に対策はされていない」が39.5%にのぼり、「迷惑行為対策教育(21.0%)」や「マニュアルの整備(19.9%)」にも多く、個人の負担の大きさ浮き彫りとなった。

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