国連の観光機関が2022年のメッセージ発表、「経済の中心に観光を」、観光復活に向けて協調呼びかけ

国連世界観光機関(UNWTO)は、今年に向けての「観光業界は、これまで以上に力強く、未来に向けて準備を進める必要がある」とするメッセージを出した。昨年、世界の観光産業は新型コロナウイルスの拡大、それに伴う政府による行動規制に翻弄されてきた。一方、現在の観光産業はパンデミックが発生した当初とは異なる状況にいる。

UNWTOでは、2021年について、回復力の強い未来に向けて、サステナビリティ、イノベーション、人、投資を柱として、観光の再開の基礎を築いた年だったと振り返る。新年に向けて発表されたメッセージをまとめた。

共に行動を

2021年はワクチン接種が進み、感染者の発見や治療でも大きな進展があった年だった。また、パンデミックが発生して以来、UNWTOは世界保健機関(WHO)などと効果的な協業を進めたことで、人々の安全性の確保と観光の重要ライフラインの維持とのバランスを見つけることにも成功した。

多国間の共同アプローチは、これまで学んできたことを生かしていくためにも、今後の活動の中心に据える必要がある。UNWTOは当初から調和の取れた旅行再開プロセスを進めることが必要だ。

人類と地球のために

観光の再開は、環境対策への投資なしにはあり得ない。 

昨年、グラスゴーで開催されたCOP26で発表された「観光における気候変動に対する行動宣言」に大きな関心が寄せられているように、観光業界では人類と地球に対する責任を果たすべく努力を続けている。二酸化炭素排出量を2030年まで半減させ、2050年までにネットゼロを目指す取り組みに賛同する加盟国、観光地、企業、観光事業者、メディアは増えており、数百社がすでにこの行動宣言への参加を表明している。

また、UNWTOは、観光産業が生み出す利益を可能な限り広く、そして公平に人々に配分していくことにも力を入れている。そのひとつが、「ベストツーリズムビレッジ」。観光と農村の開発を支援していく取り組みで、今年は32カ国から44村が、持続可能な開発目標に沿った観光開発への取り組みを示し、表彰された。

マドリッドで開催された第24回UNWTO総会には、表彰された村が一堂に会し、パンデミックの中でのUNWTOの取り組みと、観光産業への将来ビジョンを共有し、「観光客保護のため国際規範(International Code for the Protection of Tourists)」などのイニシアティブに賛同を示した。この画期的な法的枠組みは、回復に不可欠な要素である旅行への信頼を回復するものになる。

経済の中心に観光を

危機は、何が重要で、誰が仲間かを知る機会になる。

パンデミックによって、観光が経済や社会と密接な関係があることがさらに明らかになった。観光は今や世界の至るところで語られる産業であり、国内的にも、国際的にも経済再生に向けた行動の中心に据えられている。

UNWTOへの支援もかつてないほど大きくなり、これまで以上にはっきりとした形で現れている。G20やG7、国際民間航空機関(ICAO)、国連食品農業機関(FAO)、世界銀行、米州開発銀行(IDB)、南米開発銀行(CAF)、欧州復興開発銀行(EBRD)などとのパートナーシップを強化。国連では、国連事務総長がUNWTOの活動と観光産業の重要性を指摘した。

未来は始まったばかり

2021年の暮れにオミクロン株が出現したことで、世界は再び警戒を強め、最優先が公衆衛生対策であることを再認識した。

しかし、未来に向けて前進していくために必要なことは、憶測や政治戦略ではなく、エビデンスに基づく協力と行動だ。最近の感染拡大は、その当初からの考えを改めて思い起こさせた。

UNWTOとしては、昨年2021年が今後のより良い観光を構築していくための出発点と考えている。条件が整えば、観光産業はすぐにでも復活の道を歩むことができるだろう。

※ドル円換算は1ドル114円でトラベルボイス編集部が算出

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