
日本旅行業協会(JATA)は、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定した。一部の顧客からの意見や要望の中には、著しい迷惑行為に該当する事例もあり、応対する就業者の就業環境の悪化や、他の顧客に不便をかけ、不快な思いをさせることもあることから、就業者一人ひとりの人権を守り、質の高いサービスを持続的に提供していくために策定した。
基本方針として、就業者がカスタマーハラスメントに該当する行為を受けた場合には、顧客などに誠意をもって対応しつつも、毅然とした態度で臨み、組織として対応するとしている。
JATAでは、カスターマーハラスメントを「応対する就業者の就業環境が身体的または精神的に害される行為の全て」と定義。その具体例として、長時間拘束、暴言・暴力、同じ要求の繰り返し、時間外・職場外での拘束、SNSやインターネット上での誹謗中傷、セクハラ、添乗業務を阻害する行為などを挙げている。
そのうえで、要求・言動がカスタマーハラスメントに該当すると判断した場合、注意喚起を行う。それでも、継続された場合は、直ちに以後の対応を中止する。また、旅行契約を締結中の場合は、旅行業約款に則り、旅行契約を解除、または旅行サービスの提供を断る場合もあるとしている。
このほか、社内対応として、就業者へ啓発・教育、会社や弁護士に相談できる体制やメンタルケアを活用できる環境の整備を行う。