東京商工リサーチによると、2021年の負債額1000万円以上の「宿泊業」の倒産は前年比27.1%減の86件で、2年連続で前年を下回った。100件を下回ったのは2019年(75件)以来、2年ぶり。このうち、新型コロナウイルス関連倒産は47件(構成⽐54.6%)と過半数を占めた。
一方、負債総額は同140.6%増の1396億円で、2年ぶりに前年を上回った。負債が1000億円を超えたのも2年ぶりで、直近10年では2019年の1261億2700万円 を上回り最大となった。4月に特別清算の開始決定を受けた東京商事(負債1004億8300万円、5月集計)が、宿泊業では14年ぶりに負債1000億円の大型倒産となり、債総額を押し上げる結果となった。
原因別では、最多は「販売不振」の67件(同15.1%減)で、倒産の8割を占め、コロナ禍による業況悪化を反映する結果となった。
形態別では、「破産」が同25.0%減の69件(前年92件)で最も多く、構成比は80.2%で、全体の8割を占めた。一方、再建型の「民事再生法」は4件(前年2件) にとどまった。
負債額別では、1億円以上5億円未満が同27.4%減の37件で、全体の4割を占めた。このほか、1千万円以上5千万円未満が21件(同4.5%減)、10億円以上が11件 (同35.2%減)、5千万円以上1億円未満が10件(前年同数 )。
地域別では、最多は関東23件(同24件)で最多。そのうち、栃木県が6件(前年件)で東京の5件より多い結果となった。