日本ユニシスは、地域の交通事業者や地方自治体向けに、生活者MaaSの基盤となるアプリケーションサービス「L-PASS(エルパス)」の提供を開始した。L-PASSとは、外出と消費行動を促すユーザーエクスペリエンス(UX)によって、生活者の「移動総量」を増やすことで、地域活性化と公共交通利用の行動変容を促すスマホアプリ。
アプリ利用者は、地域店舗や施設のデジタルクーポンや公共交通のデジタル乗車券を、移動目的に応じてアプリから獲得することができる。一方、運営事業者は、利用ログやGPSデータを活用し、地域の交通政策立案やまちづくりにつなげることが可能となる。
L-PASSは、目的地が決まっていることを前提としたルート検索やマップ画面から開始するMaaSアプリとは異なり、外出の目的を選ぶところを起点に、公共交通から提案される経路検索までをシームレスに提供することで、生活者の外出意欲を刺激するサービス。
日本ユニシスの電子チケット流通サービス「Kimaticke(キマチケ)」と連携することで、利用者はアプリから公共交通の乗車券やイベントチケットなど購入することが可能なほか、地域の店舗で使えるクーポンを獲得することができる。
また、アプリの利用ログ(閲覧履歴やクーポン利用実績など)とGPSデータを収集することができるため、公共交通の運行計画の見直しや商業施設のセールスプラン、将来のまちづくりに活用することが可能になる。
L-PASSは、2021年12月から経済産業省「地域や業種をまたがるモビリティデータ利活用推進事業」実証として、新潟および金沢で先行的に試用されおり、日本ユニシスでは今後、2024年度までに20地域でのL-PASSの展開を目指す。