海外Wi-Fiレンタル「WiFiBOX」、空港で非接触での貸出しなど、進化した利便性をハワイで体験してみた

新型コロナの影響によって、海外旅行市場が2年以上にわたって動きを止めていたなか、海外Wi-Fiレンタルは新たな進化を遂げていた。テレコムスクエアは、2022年4月1日からWi-Fi自動レンタルサービス「WiFiBOX」の提供を開始。海外旅行の再開が期待される今夏に向けて、新しい技術を用いた海外Wi-Fiサービスの販売に力を入れている。2年半ぶりの海外取材となったハワイで、そのサービスを体験してみた。

貸出しは非接触で

WiFiBOXは、モバイルバッテリーレンタルの技術をベースに、バーチャルSIMの特許を持つ米SIMO社との提携で開発したもの。携帯性、簡易なレンタル方法、低価格など、従来のレンタルサービスを超えるメリットを利用者に提供している。

利用にあたっては、同社ウェブサイトで予約すると、登録メールアドレスに受取用QRコード読み取りページが送られてくる。空港では、スマホから受取案内メールを開き、WiFiBOX貸出機のQRコードを読み取る。

最後にスマホに表示された「受け取る」ボタンをタップし、貸出機のスロットからWi-Fiルーターを引き抜けば、レンタル開始だ。WiFiBOXのレンタルは、空港のテレコムスクエアのカウンターにはスタッフが常駐してサポートをしているが、基本的にすべて利用者自身で完結することができる。

進化した携帯性と利便性

Wi-Fiルーターを手に取って、まず驚くのは、その携帯性だ。ほぼスマホと同じサイズ。従来型のWi-Fiサービスでは、充電アダプタや変換プラグなどを入れたポーチをレンタルしていたが、WiFiBOXでは端末だけをレンタル。荷物にならず、かさばることがない。そのままポケットに入れて利用することも可能だ。

そして、大きなメリットのひとつが、Wi-Fi端末をモバイルバッテリーとして利用できる点だ。「海外旅行でスマホが必須の今の時代、充電とWi-Fiは一体であるべき」と同社CEOの田村正泰氏。屋外でスマホの充電切れてしまえば、Wi-Fiルーターを持っている意味がない。

片手で持てるサイズながら、端末には、本体充電用のほかに、Androidスマホ用のMicro USB、iPhone用のLightening、Androidスマホ用のUSB Type-Cの充電ケーブルがついており、どのようなタイプのスマホにも対応可能となっている。

レンタル後、早速スマホとの接続をしてみた。スマホのWi-Fiをオンにし、レンタルした端末に記載されているSSIDを選択。同じく端末に記載されているパスワードを入力し、「join」をタップすると、スマホにWi-Fiのアンテナが立った。

価格も、アメリカの場合、500MBで1日300円、1GBで1日550円、無制限で1日770円と手ごろ。同社によると、空港カウンターおよび郵送での受け渡し、返却後の物流センターでの在庫・品質管理を不要としたことで、オペレーションコストを約20%削減することに成功したという。

屋外で常時接続の安心感

ハワイでは、1日中Wi-Fiをオンにし、ホテルで寝ている間に本体を充電するパターンを繰り返した。モバイルバッテリーとして利用する時間にもよるが、本体の充電力は十分だ。

実際のところ、ホテル内にいる場合は、ホテルが提供するWi-Fiサービスで事足りるが、日本にいると時と同じように、屋外で常にオンラインで繋がっている環境は、やはり便利で安心だ。特に、出入国時の手続きが多い現状では、どこでも繋がっている安心感は大きい。

例えば、日本入国時のファストトラックに必要な「MySOS」の登録。搭乗便到着予定日時の16時間前までにアプリ上で事前登録を完了させる必要があるため、どこでも登録ができる環境はありがたかった。現地でPCR検査を出発前72時間以内に受け、陰性証明を受け取った直後に、その場で、忘れないうちに、その証明書を「MySOS」にアップロードすることもできる。

ハワイのビーチでは、ちょっとしたワーケーションも。メールをチェックし、その場で対応した。美しいビーチ体験を、リアルタイムでSNSにアップすることもできるだろう。常時オンラインでつながることで旅の幅は広がる。

テレコムスクエアでは、タビナカで万が一、端末に不具合が生じた時のためのサポート体制も整えている。365日24時間、チャット対応。同社では、これまでの実績から、問題解決のノウハウを蓄積していることから、チャットでの素早いサポートが可能になっているという。

ハナウマ湾のビーチでも使ってみた。返却もスロットに差し込むだけ

今回の旅では、復路は成田空港に到着。端末の返却は、テレコムスクエアのカウンターに同じく設置されてある貸出機の空いているスロットに差し込むだけ。カウンターのスタッフからは「ご利用、ありがとうございました」と声をかけられただけだ。

同社では、成田や羽田、関空の計8カ所のカウンターにWiFiBOXを設置。今後、福岡や中部など、同社のカウンターのある空港から順次拡大し、年内30カ所への設置を目指すという。田村氏によると、空港に到着した時点で、ネット予約をし、その場で借りていく人もいるという。

成田空港のカウンターに設置されたWiFiBox海外旅行がもっと自由になれば、利用者は増えていきそうだ。さらに、WiFiBOXでのレンタルに言葉の壁はないため、訪日旅行者にとっても利便性は高い。

その携帯性や価格から、汎用性は高く、旅行以外の日常利用での需要も見込めそうだ。同社では、空港以外にも設置を広げ、2023年まで100カ所にWiFiBOXの設置を目指している。

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