国土交通省観光庁とスペイン産業・商業・観光省は2022年9月22日、観光分野における協力覚書を交わした。ツーリズムEXPOジャパンが開催されている東京ビッグサイト内で、スペイン産業・商業・観光省の長官フェルナンド・バルデス・ベルレスト氏と、日本の観光庁長官の和田浩一氏が、覚書に署名した。
今回の覚書締結は、2017年に署名した覚書が2023年4月5日に終了するのに伴い、コロナ禍による環境変化を踏まえて内容を見直し、更新したもの。
協力分野のうち、特別な支援の対象として5つの優先分野、新しい観点として地域観光やサステナブルな取り組みをアフターコロナで外せない分野として盛り込んだ。そして、これら優先分野に関連する両国の施策をもう一方の国にも展開し、共通の施策として取り組むことで合意した。例えば、日本の観光庁の「ポストコロナを見据えた新たなコンテンツ形成支援事業」のような施策をスペインでも取り組む。また、逆にスペインでの施策を日本にも取り入れるという考えだ。
また、附属書には「両国間の空路接続性を強化するための協力」も含めた。両国の航空路線については、コロナ禍で落ち込み、直行便が就航していたイベリア航空の日本路線も回復していない。運航再開には、双方向交流の増加が不可欠であるとの認識のもと、共通分野に入れ込んだ。
覚書の協力分野と、附属書に記載された優先分野は以下の通り。
協力分野
- 情報交換及び知識、経験又は実践の移転を通じ相互に支援する。
- 主要な行事の開催を含め、両者にとって関心のある共同活動を促進及び準備し、それぞれの国で開催されるセミナー、講演会、展示会及びシンポジウムへの参加を奨励する。
- 観光関係者や専門家の交流を奨励する。
- 直接に又は両国に設置された政府観光局を通じて、情報交換を促進する。
- 観光に対する官民の投資を奨励する。
協力の優先分野(附属書)
- プロモーション及び市場戦略
- アクセシブルツーリズムや地域観光を含む持続可能な開発政策
- スマート観光地を含む観光に適用される技術やイノベーション
- 各国で実施されている観光開発プログラム
- 両国間の空路持続性を強化するための協力