持続可能な旅行を見える化する、CO2排出量の計算プラットフォーム導入続々、航空会社や大手OTAなど

ノルウェー・オスロの気候変動テクノロジー企業「CHOOOSE」が提供するCO2排出量計算プラットフォームを導入する航空会社やグローバルOTAが世界的に増加している。

2050年までのCO2排出量実質ゼロを目指すブリティッシュ・エアウェイズは2022年10月26日、CHOOOSEとのパートナーシップを結び「CO2llaborateプログラム」を導入すると発表。搭乗客が自ら利用するフライトのCO2排出量を確認することで、環境に配慮したフライトを選べるようにする2つのオンラインプラットフォームを立ち上げる。

ひとつは専用ツールを活用したカーボンオフセット。もうひとつは持続可能な航空燃料(SAF)の購入による排出量削減。同プログラムを通じた購入されるSAFは、廃食油を原料とするもので、英国東部ハンバーサイドのフィリップ66プラントからヒースロー空港のパイプラインに供給され、ブリティッシュ・エアウェイズに給油される。

個人の利用者は、同航空のウェブサイトから、フライトの前中後でCO2llaborateプラットフォームにアクセスすることが可能。常にCO2排出量を確認することができる。

一方、法人利用者は、出張から発生した CO2 排出量を示すダッシュボードにアクセスし、毎月の排出量レポートを受け取ること可能。また、企業は、SAFの購入から認定カーボンオフセットプロジェクトや特定の気候ソリューションを選択することもできる。

ブッキングドットコムは、まず宿泊施設から、日本企業も導入

航空会社以外でもCHOOOSEのプラットフォーム導入は広がりを見せており、ブッキング・ドットコムもCHOOOSEと戦略的パートナーシップを締結した。まずは、利用者向けに宿泊施設でのCO2排出量の情報提供からはじめ、フライト、旅行商品などに拡大し、カスタマージャーニーを通じてカーボンオフセットの透明性を高めていく。

ブッキング・ドットコムの最新調査によると、世界の旅行者の5人に4人以上が持続可能な旅行を重視しており、そのうち 50%が、気候変動に関する最近のニュースによって、持続可能な旅行への動機が高まっていると回答したという。

このほか、イベリア航空、エア・カナダ、トリップ・ドットコムなどが同様のプラットフォーム導入を進めているほか、アマデウスはCHOOOSEへの投資を決めた。また、日本でも保険会社のチューリッヒ・ジャパンがCHOOOSEとの提携で、自動車保険の顧客向けにカーボンオフセットプログラムを開始している。

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