顧客満足度に関する調査・コンサルティング会社J.D. パワー ジャパンはこのほど、「ミッドスケールホテル部門」および「エコノミーホテル部門」の2部門で、2022年ホテル宿泊客満足度調査を実施した。
調査は2022年9月中旬~下旬に、直近1年以内にホテルに宿泊した人(20歳~74歳)を対象に実施。ミッドスケールホテル部門4319人、エコノミーホテル部門4101人から回答を得た。ミッドスケールホテル部門は、正規料金の最多価格帯9000円以上1万5000円未満、または最多の価格帯9000円未満で客室面積15平米以上。エコノミーホテル部門は、正規料金の最多の価格帯9000円未満で客室面積15平米未満のホテル。
それによると、前回調査(2021年11月)と比較して、「エコノミーホテル部門」の宿泊客満足度は699ポイントで前回とほぼ横ばい、「ミッドスケールホテル部門」は729ポイントで前回から9ptの向上。2019年の満足度は「エコノミーホテル部門」が664、「ミッドスケールホテル部門」が689だったことから、コロナ前を大きく上回る高い満足度水準を維持していることが分かった。「ミッドスケールホテル部門」では「料飲(F&B)」および「チェックイン/チェックアウト」の評価が顕著に向上した。
両部門ともに平均宿泊料金は、コロナ禍前の2019年までの水準には届かないものの、前回から1000円前後の増加。その一方で、「料金」の満足度は両部門共に前回比で10ポイント未満の低下にとどまり、高水準を保っている。J.D. パワー ジャパンでは、調査実施時点(2022年8月)では全国旅行支援は開始されておらず、客室稼働率も完全な回復をしていなかったため、宿泊客に対して比較的余裕を持ったサービスの提供ができたことが、コストパフォーマンスの維持につながったと分析している。
コロナ禍を契機に広まりつつあるチャックイン/アウトのセルフサービス化についても調査。チェックインでセルフサービスを利用した割合は、「ミッドスケールホテル部門」では13%、「エコノミーホテル部門」では14%となり、コロナ禍前の2019年からの増加傾向が続いている。また、「スマートチェックインサービス」を「重要だと思う」と「やや重要だと思う」と回答した割合の合計は、いずれの部門においても70%を超え、特に30代以下の若年層での意向が高いことも分かった。
SDGs関連サービスについては、ホテル宿泊時に今後利用したいものとして上位にあがった項目は、「アメニティバー(ミッドスケールホテル部門:41%、エコノミーホテル部門:38%)」、「地産地消の飲食の提供(同31%、28%)」、「連泊時に清掃が必要か不要か選べること(同28%、28%)」、「連泊時にシーツやタオルの交換が必要か不要か選べること(同28%、27%)」。
なお、総合満足度ランキングは以下の通り。
ミッドスケールホテル部門(対象15ブランド)
- OMO (769ポイント)
- リッチモンドホテル(751ポイント)
- ホテルJALシティ(749ポイント)
エコノミーホテル部門(対象12ブランド)
- スーパーホテル(725ポイント)
- ヴィアインホテル(724ポイント)
- コンフォート(716ポイント)