エクスペディアが最新旅行トレンド調査を発表、CMOが解説した世界で高まる「サステナブル旅行」への関心とは?

エクスペディアは、最新の旅行トレンドを考察した「トラベラー・バリュー・インデックス(Traveler Value Index)」調査の結果を公表した。この調査は、2022年6月~7月にかけて世界11マーケット(オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、日本、メキシコ、南アフリカ、韓国、イギリス、アメリカ) の消費者および旅行業界関係者に対して行われたもの。

このうち、日本市場の傾向について、エクスペディア・グループSVPエクスペディア・フォー・ビジネスCMOのシェリル・ミラー氏が説明した。それによると、日本で今後12ヶ月で旅行を計画している消費者は50%にとどまり、依然として旅行をためらう人が多いことがわかった。海外旅行に限ると79%が「控える」と回答した。

他国と比較すると否定的な傾向が強く、日本人消費者の60%、旅行業界関係者の39%が「健康と安全、パンデミックに対する懸念が旅行に影響を与える」と答えていることから、ミラー氏は「日本人旅行者は変わらず旅行先の安全性と感染状況に気を配っている」と分析した。

また、日本市場の特徴として、日本の旅行者の半数以上(54%)が鉄道旅行を好むと回答。調査対象国のなかで最も高い数値となった。一方、ロイヤルティプログラムの加入率は28%で最低。カナダ66%、オーストラリア62%、米国52%などとは大きな差となった。ミラー氏は「さまざまなプログラムがあるなかで、選択に混乱があるのではないか」との見方を示した。

ますます高まるサステナビリティ旅行への関心度

調査ではサステナビリティにも注目。世界的にその傾向はますます高まっており、同社サイトのクチコミデータによると、2022年1月に持続可能性や環境への配慮に関する用語が使用された回数は、前年同月と比較して2倍に増えた。ミラー氏によると「サステナビリティの取り組みで旅行先を選ぶ傾向はまだ高くないが、航空会社、ホテルなど個別の予約ではそれを基準に選ぶ傾向が出ている」という。調査結果によると、世界の消費者の3人に2人が、宿泊施設や移動手段を取り扱う業者に対してサステナビリティの取り組みに関してより多くの情報を求めている。

サステナビリティに関して、消費者がクチコミで言及した回数が最も多かったのは「電気自動車充電スタンド」。「太陽光エネルギー」「リサイクル」「使い捨てプラスチック製品の廃止」「LED照明」が続いた。

また、消費者が旅行の計画中に参考にする情報では、「環境への影響が少ない移動手段」「地域の文化やコミュニティとの関わり方」「環境に配慮した宿泊施設」「先住民の文化や伝統に配慮した旅先」などが挙げられた。

ミラー氏によると、「半数以上が、コストが通常よりも割高になっても、サステナビリティのオプションを選ぶと答えている」という。

一方、「旅行業界もサステナブリティに対する優先度を上げている」(ミラー氏)。調査結果によると、旅行業界関係者の5人に1人が「2023年はサステナビリティへの投資が最優先事項になる」と回答した。

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