フィジー政府観光局、成田/ナンディ直行便の再開で、日本人旅行者の獲得へ、3年ぶりに旅行会社向けセミナー開催

フィジー政府観光局CEOのブレント・ヒル氏

フィジー政府観光局が日本からの観光客誘致を本格始動している。フィジー・エアウェイズが2023年4月から成田/ナンディ線を再開したのを機に、東京・大阪で3年ぶりとなる旅行会社を対象としたセミナーを開催した。フィジーから観光局やホテル、アトラクションなどサプライヤー11社・団体が来日し、ホテルやマリンアクティビティ、洞窟トレッキングなど17の旅行商品を紹介。日本からは計約100人が参加し、新たなツアー造成に向けて意見を交わした。

来日したフィジー政府観光局CEOのブレント・ヒル氏は、「成田/ナンディ線直行便の再開とともに、多くの日本人客に戻ってきてほしい」と挨拶。アジア地域担当ディレクターのキャシー・コヤマイボレ氏も、「現在、フィジーでは入国規制などは全て撤廃されている。直行便はフィジーにとって大きなアドバンテージになる。ホテルのクオリティやホスピタリティなど、価格価値の高さも魅力だ」とし、観光市場の復活を強く訴えた。

週2便体制で直行便再開

セミナーではフィジー・エアウェイズ日本地区代表の岸本洋一氏も登壇し、再開した成田/ナンディ線について紹介した。成田・ナンディとも火・金曜発・週2便で、機材はエアバス330-200型を使用。ビジネスクラス24席、エコノミークラス245席で運航する。

新たに同社独自の新運賃体系「フライ ユア ウェイ」も導入した。これはサービス内容に変化をつけた「LITE」、「VALIE」、「COMFORT」、「PLUS」の4段階の価格帯を設定したもので、いずれのサービスも食事や飲み物のサービスはあるが、LITEには機内持ち込み荷物1つのみで預け手荷物なし、VALUEは機内預け荷物1個、COMFORTは機内預け荷物2個など、消費者のニーズに応じて選択できるようにした。

さらに、燃油サーチャージが0円、エコノミー座席も2-4-2とカップル、ファミリー、シニアなどさまざまな需要に応えるほか、旅行者の氏名確定がなくても座席を抑えることができるなど、旅行会社にとって商品造成がしやすいメリットを強調。そのうえで「成田/ナンディ便再開に当たっては、本社の日本市場復活に対する強い熱意があった。旅行会社にはぜひ、フィジーの商品を造成してほしい」と話した。

なお、岸本氏によると再開後の予約状況は、「アクティブシニアを中心に、まずまずの出足。語学留学生など夏から秋にかけての予約も好調」という。

他市場は7割台まで復活

また、フィジー政府観光局のヒル氏によると、フィジーの観光市場は、近場のオーストラリア、ニュージーランド、北米を中心に2022年の時点でコロナ禍前2019年の72%まで復調しており、2023年3月までの統計も2019年とほぼ同レベルで推移しているという。香港、カナダも復調の動きを見せており、日本市場も直行便再開を機に「まずはコロナ禍前に戻すことが目標。将来的には、かつてエアパシフィックが就航していた時代の週4便、年間5万人を目指したい」と語った。今後はハネムーン・ウェディング、若年からシニアまでのカップル、ファミリーを主要ターゲットとして、SNSなどを活用したPR展開を図る。

また、フィジー政府観光局は、アジア市場の重点市場を日本、中国(香港)、シンガポール、インドとし、なかでも直行便が再開した日本に期待を寄せている。今回来日した11社についても、日本向けの商品を造成し、なおかつ最低3年間はその商品を日本向けに割り当てることを条件として選んだという。コヤマイボレ氏は、「現在の予約状況を見ると予想していなかった、アクティブシニアが好調。この層をしっかり取り込むべく向けてもトレッキングやハイキング、体験プログラムなどの開発をしていきたい」と話した。

アジア地域担当ディレクターのキャシー・コヤマイボレ氏

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