カナダの航空大手ウエストジェットが2023年5月1日、成田/カルガリー線に週3便で新規就航した。同航空にとっては初の太平洋路線。3クラス制(ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミー)のボーイング787-9でフルサービスを提供する。現在のところ、今年10月末までの季節運航としている。
就航に先立ち、都内で記者会見を行った同航空セールス&ディストリビューション担当副社長のチャールズ・クラウダー氏は「日本からカナダへの観光客は毎年多く、カナダ人にとって東京は日本のゲートウェイになる」と話し、初の太平洋路線として日本を選んだ理由を説明した。
また、JALとのコードシェアについても触れ、日本各地からカナダに渡航する日本人旅行者の乗り継ぎ、および訪日カナダ人の地方への送客で利便性は高いと強調。また、ウエストジェットはカルガリーをハブ空港としていることから、「カルガリーからカナダ国内線への乗り継ぎ需要にも期待している」と話した。
クラウダー氏は、航空券予約の現状について、旺盛な訪日需要から「就航初年度はカナダ発が日本発よりも多くなるだろう」との見解。現在のところ、同航空のホームページはまだ日本語化されていない。クラウダー氏は、今後ローカライズしていく考えを示したうえ、「日本では旅行会社からの予約を重視している」とした。今後、日本での知名度向上を進め、「将来的には日本とカナダ50%ずつの旅客構成にしていきたい」考えだ。
アルバータ州、先住民族観光の訴求を強化
一方、日本人観光客を受け入れるアルバータ州観光公社は、世界遺産、自然、食などとともに先住民族観光の訴求を強めていく。
同公社のデービッド・ゴールドスティーンCEOは、日本市場でのマーケティングについて、「サステナビリティと本物の文化体験が大切になってくる。ストーリーテリングを強化し、情報発信に努めていく」考えを示した。
同公社では過去3年間に数百万カナダドルを先住民族観光の開発に投資。そのうち約600万カナダドル(約6億円)をアルバータ先住民族観光協会(ATA)との商品開発に投下し、約200万カナダドル(約2億円)を関連組織への財政支援に充ててきた。カナダでも最大規模の先住民族観光への投資になるという。
ATAのシェイ・バードCEOは、先住民族観光の意義を「ソーシャル・レスポンシブル・ツーリズム」と表現。「現地との交流を通じて、異なる民族の物語、文化、歴史、食などを観光客と共有することで、環境や社会におけるサステナビリティを伝えていきたい」と意欲を示した。
※カナダドル円換算は1カナダドル100円でトラベルボイス編集部が算出