じゃらん予約取扱額が大幅増、2022年の「遊び体験」への新規参画は3600軒、フォーラム開催で好調な業況をアピール

リクルートは2023年6月15日に宿泊施設を対象とした「じゃらんフォーラム2023」を東京会場で開催した。イベント冒頭には、同社の旅行Division Division長、宮本賢一郎氏が登壇。同社の旅行事業における現状と今後について語った。

じゃらんnetの予約取り扱い状況については、2022年6月以降、コロナ前(2019年)を超えての推移が続いている。特に同10月以降は全国旅行支援による後押しで、大きな伸びに。支援開始直後の2022年10月20日には、1日での予約数が過去最高を記録した。

プレゼン資料より2023年4月は月間予約数が過去最高、5月5日には1日での取扱額も過去最高を記録した。こうした好調の背景には、「じゃらんスペシャルWeek」などのセール企画の効果やテレビCMによる認知度向上があるという。

また、同社の会員制度でのステージプログラムを強化。上位ステージの会員による2022年の予約回数は2021年比で20%増、2023年5月には同会員数は過去最高となった。今後は会員専用コンテンツや一人一人の嗜好に合った提案をすることで、さらに旅行頻度を上げる仕組みへと進化させる方針だ。

また、タビナカ予約「遊び体験」も好調で、2022年度には新たに3600施設が参画。予約件数は2023年3月に過去最高を記録した。

宮本氏は、来場した宿泊施設に向けて事業の好調さをアピールし「旅が戻る未来に向けた転換期に皆さまとチャレンジをしていきたい」と呼びかけた。

宿泊施設や観光地の経営・観光DXを支援

また、今後の取り組みとして、宿泊施設の経営や地域の観光DXの支援をさらに強化していく方針を強調した。3つのポイントで進めていく。

ひとつめは、人材の安定確保。地方都市において少子高齢化による労働人口減少が続く中、観光事業者の間でも人材不足が深刻化している。この課題に対して、例えばフルタイムでの雇用にこだわらず、仕事を切り分けて「プチ業務化」することで企業と求職者のミスマッチを解消することを提案。そしてリクルートが得意とする求人募集サービスが採用に貢献できるとした。

ふたつめは、DXで生産性向上。デジタル活用により、業務の生産性をあげることで、人にしかできない重要な仕事に時間を割くことを提案した。例えば、宿泊施設の価格設定では、従来行われてきたカンや経験による属人的な価格設定から、同社が提供する「レベニューアシスタント」を導入すること提案。宮本氏は、じゃらんnetのアクセスから需要を感知して、価格に反映する機能もリリースしている点をアピールし、「業界の生産性向上へ貢献していきたい」と話した。

3つめは、データに基づく消費機会の拡大。同社が提案する「じゃらん版観光DX」を地域やDMOと推進していく。一例として、過去の人流データデータを現在と掛け合わせて、未来の混雑予測を行った事例を紹介。未来の集客状況を把握することで、事業者の仕入れや人員配置の最適化を図ることが可能となり消費機会を逸失することを防ぐことができたという。宮本氏は、今後、需要データを可視化して情報配信していくことを検討している点にも言及した。

同社では、こうした活動を推進することで、同社が目指す地域の観光による消費額増加に貢献していく考えだ。

旅行Division Division長、宮本賢一郎氏

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