活況を呈するインドの航空業界、ライバル2社が合計1000機の新型航空機を発注、一方で規制によるリスクも 【外電】

写真:ロイター通信

インドの航空業界が活況を呈している。ロイター通信によると、LCCインディゴがパリで開催されている航空ショーで、エアバスと過去最大となる500機の契約を発表。ライバルのエア・インディアはエアバスとボーイングの航空機470機の発注を確定させた。

インドの航空会社が保有する機材は、今後10年間、それ以降で1500機以上になる見込み。これは現在の2倍にあたる機数だ。

インド経済の成長と中間層の増加が航空旅行市場を押し上げており、航空コンサルタント会社CAPA Indiaとインド政府データによると、インドの国内線旅客数は2019年の1億4400万人から2030年には3億5000万人に急増し、国際線旅客数は6400万人から1億6000万人に増加すると予想されている。

また、インド政府は国内の航空網の整備を進めており、空港の数を現在の150ヶ所から5年後には200ヶ所に増設する計画だ。

一方、チャンスは多いがリスクも大きいと話す航空アナリストもいる。最近倒産したゴーファースト航空の事業の失敗は、大規模な航空機取引に多額の資金を提供している外資系リース会社に関する権利保護をめぐる国内規制の問題を露呈させた。LCCスパイスジェットも、未払い問題で航空機リース会社の怒りを買っている。

航空機リース会社は、債務不履行の場合、政府の資産差し押さえの制限によって、インドのすべての航空会社のコストが上昇すると警告している。インディゴやエア・インディアも例外ではない。

航空アナリストのアメヤ・ジョシ氏は、「貸し手の利益を守るためには大規模な規制改革が必要だ。リスクを軽減し、リースレンタルコストを抑えることで、最終的にはインドの航空会社を助けることになる」との見解を示している。

インドはリース会社にとって重要な市場であることは間違いない。 航空データ分析のシリウムによると、2018年から2022年にかけて、インドでのセールス・アンド・リースバック取引は、航空機納入全体の75%を占めた。これは、世界平均の35%と比較するとかなり高い。

一部の航空アナリストは、インディゴとエア・インディアは同じマーケットを奪い合うために、大量の航空機を発注していると指摘する。ジョシ氏は、インドの年間旅客数の伸び率は、パンデミック直後の20%から今後6%~10%に鈍化すると予想。 同氏は「体力の弱い航空会社が淘汰されることで市場は安定する」と見ている。

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