エアビーアンドビー(Airbnb Japan)は、世界遺産に登録されている富山県南砺市の五箇山・菅沼集落の合掌造りに宿泊できる体験を新たに提供する。同社では国内での「歴史ある建物」に注力しており、今回の菅沼集落での取り組みもその一環。中島慎一氏が五代目当主を務める「吾郎平」が宿泊施設としてリスティングされる。
Airbnb Japan代表の田邉泰之氏は、今回の宿泊体験について、人とのつながりや現地の伝統文化に触れる機会を訴求する同社の原点回帰の方針に基づくものと説明。「合掌造りという国内有数の貴重な建物、そしてそれを長年、維持、継承している地元コミュニティの生活を国内外のゲストに体験してもらいたい」と話した。
宿泊では、地元の郷土料理、五箇山和紙づくり、ガイド付きe-bikeツアーなどの地元体験のほか、和紙で作られた文房具屋インスタントカメラ、アロマなどをセットにしたキットが提供される。また、キャンペーンとして、2023年7月17日から19日にかけて1組2人を無料で招待する。予約開始は6月30日午前9時から。
中島氏は、「菅沼集落、五箇山、南砺市を日本全国のみならず世界各国に発信していくというエアビーの強い熱意を感じた」と話し、十数年ぶりに宿泊施設として自宅を開放する背景を説明した。菅沼集落には現在、中島家の4世代8人を含め6世帯約30人が生活している。
また、田中幹夫南砺市市長は、2025年の大阪・関西万博について触れ、「世界中からゲストが訪れるが、それに合わせて、その人たちに南砺市を訪れてもらい、変わらない自然を体感してほしい。エアビーの宿泊体験はそのいい機会になる」と期待感を表した。