夏休み旅行動向2023、海外旅行は120万人見込み、昨年の2倍、2019年比4割、国内旅行者数はコロナ前の水準に ―JTB調査

JTBが、2023年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向を発表した。旅行動向アンケート、経済指標、業界動向、宿泊施設の予約動向、各種意識調査などをもとに推計したもの。国内と海外をあわせた総旅行人数は7370万人(前年比17.8%増、2019年比3.3%減)と推計した。

国内旅行人数は7250万人(前年比16.9%増、2019年比0.1%増)でほぼ2019年水準まで回復。国内旅行消費額は2兆9000億円(前年比26.4%増、2019年比9.7%増)、国内旅行平均費用は4万円で、前年比8.1%増、2019年比9.6%増になるとみている。

アンケート結果をみると、前年より収入の増加やボーナスもわずかだが良化傾向がみられ、生活・消費について「趣味や旅行などにかける費用は減らしていない(27.8%)」が前年調査より2.1ポイント増。「趣味や旅行などにかける費用を減らしている(30.2%)」は同6.8ポイント減となるなど、消費に明るい兆しが明らかになった。ただし、家計全体では厳しい状況が継続し、切り詰めやぜいたく品への支出を控える傾向も明らかになっている。

人気の国内旅行先は、「関東(18.3%)」「北海道(12.5%)」「近畿(12.3%)」「甲信越(10.8%)」「東北(10.1%)」の順。

旅行目的は、「家族と過ごす(10.9%)」が最多。次いで「規制(10.0%)」「温泉でゆっくりする(9.8%)」と続いた。日数は、「2泊(36.2%)」が前年から3.1ポイント増で最多。次いで「1泊(32.6%)」は前年から3.2ポイント減、「3泊(17.9%)」も0.4ポイント減となった。

発表資料より

発表資料より

海外旅行は前年比2倍も、日数は短期化傾向に

一方、海外旅行人数は120万人で、前年比114.3%増、2019年比60.4%減。海外旅行消費額は2019年比60.6%減の2772億円。海外旅行平均費用は2019年比0.4%減の23万1000円を見込む。

海外旅行先は、「韓国(19.1%)」「台湾(16.1%)」「ハワイ(12.6%)」の順になった。そのほか、同社の企画商品では、グアムやシンガポールなど、アジアを中心とした近場の需要が高い傾向がみられた。

海外旅行の日数は「3泊(26.6%)」が最多、次いで「2泊(20.1%)」「1泊(11.6%)」。

なお、海外旅行に対する意向のアンケートでは、「気分をリフレッシュするために行きたい(30.5%)」「本場の美味しい料理を食べに行きたい(24.1%)」「治安や健康面(様々な感染症など)の問題がなければ行きたい(21.5%)」といった肯定的な回答に加え、「治安や健康面(感染症など)でまだ安心できないので、行きたいとは思わない(11.6%)」「国内旅行に比べると出入国手続きなどが面倒くさそうなので、行きたいとは思わない(10.6%)」「円安や物価高の影響があり、行きたくても行けない(9.8%)」といった意見も。引き続き、安全で経済的負担の少ない環境が望まれるようだ。

発表資料より

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