米OTAホッパーが米国の航空運賃指標を公開、近距離国際線は安定、アジア行きは高止まり

米OTAホッパー(Hopper)は、今後6ヶ月の同社による米国国内線の航空運賃指標を明らかにした。それによると、2023年8月の平均往復運賃は、7月の274ドル(約4万円)から267ドル(約3.9万円)に微減となる見込み。9月中旬まで低水準にとどまり、秋から冬のホリデーシーズンに向けて値上がりが始まると見ている。その後、感謝祭やクリスマスホリデーが始まる11月下旬から12月下旬にかけて値上がりが続き、ピーク時は283ドル(約4.1万円)前後になると予想。11月まで2019年の水準を下回り、クリスマスまではパンデミック前の水準に近づく見通しだ。

また、現在の航空運賃の推移についても明らかにした。まず、国内線の平均運賃は、前年同期比11%減の257ドル(約3.7万円)。国内線の輸送能力が 2019 年の水準を上回ったことに加えて、海外旅行へのシフトが強まり、燃油コストが改善されていることが主要因としてしている。

近距離は安定、欧州・アジアなど長距離は高止まり

米国からメキシコ、中米行きなどの近距離国際線では、カリブ海線は前年比9%減。メキシコ線と中米線は前年並み。これらの路線では、すでに2021年から需要が大幅に回復し、輸送能力もパンデミック前のレベルを上回っていることから、価格が安定している。

一方、欧州やアジアの長距離国際線の平均運賃は高止まり。欧州線の平均運賃は、パンデミック前と比較して7%高い813ドル(約11.8万円)。欧州への旅行需要は2019年の水準にすでに回復し、米国での全検索の23%を占めているものの、供給量はパンデミック前と比べて依然として3%低い状況となっている。

アジア線では、供給が2019年比で65%にとどまっていることから、平均運賃は2019年比59%増の1417ドル(約20.5万円)となっている。ホッパーでは、供給量が回復しない限り、価格の高止まりは続くと見ている。

このほか、ホッパーはジェット燃料の価格の推移についても分析。7月時点では1ガロン当たり平均2.59ドル(約376円)。パンデミック前よりも37%高くなっているものの、2022年7月末と比較すると27%減少している。航空会社の燃料費は、過去12ヶ月で大幅に改善したものの、ジェット燃料価格は2014年後半以降高値が続いており、特に長距離国際線の運賃への影響が続いている。

※ドル円換算は1ドル145円でトラベルボイス編集部が算出

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