国連世界観光機関(UNWTO)は、2023年第3四半期の世界の海外旅行者数が前年同期比22%増となり、パンデミック前の91%の水準まで回復したことを明らかにした。これにより、2023年1月~9月の実績は前年同期比38%増の9億7500万人。パンデミック前の87%の水準まで回復した。
UNWTOでは、2023年の海外旅行者からの収益は、2019年比93%の1.4兆ドル(約207兆円)に達すると見込んでいる。
2023年1月~9月の実績を地域別に見ると、アジア太平洋は海外旅行の再開が遅れたことから、2019年比62%と最も低い回復率。南アジアは95%まで回復ししたものの、北東アジアは約50%にとどまった。
一方、中東は2019年比を20%上回った。ビザ円滑化措置、新たな観光関連プロジェクトへの投資、大規模イベントの開催などが功を奏した。
最大の旅行先である欧州は、同期間で世界全体の56%に相当する5億5000万人の海外旅行者を受け入れた。これは2019年比94%になる。欧州域内と米国からの需要が強かった。
このほか、アフリカは92%。南北アメリカは、米国からのカリブ海への高い需要に支えられ、88%まで回復した。
アウトバウンド旅行への支出については各国で順調に増加しており、2019年比でドイツは13%増、米国は11%増、イタリアは8月までで16%増という結果となった。
※ドル円換算は1ドル148円でトラベルボイス編集部が算出