アマゾン(AWS)、観光で活用できるBtoB新サービスを発表、手のひら生体認証から顧客サービスを向上する生成AIまで【外電】

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アマゾンの子会社アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、2023年11月にラスベガスで開催れたカンファレンスで、旅行業界向けの次世代サービスを明らかにした。同社はこれまでも、AIを活用したサービスなどを提供してきた。

手のひら生体認証

まず、手のひらをスキャンして個人の身元を確認する「Amazon One Enterprise」と呼ばれる新しい生体認証製品を発表した。AWSでは、空港やホテルなど旅行関連施設で旅行者や従業員のアクセスに使用できるとしている。

この技術は手のひらと静脈の画像を組み合わせて照合するもの。AWSによれば、99.9999% の読み取り精度を実現しているという。AIを使用して、手のひらを記憶させ、従業員IDなどの資格情報に紐づける。ユーザーは機器のリーダーに手のひらをかざして入場。セキュリティで脆弱性のある従来のパスワードなどの手段からの脱却を目指すものだ。

IHGホテルズ&リゾーツはすでに、この製品のテストを実施しているという。

顧客サービス向け生成AI

また、AWS は、企業向けにカスタマーサービスのコンタクトセンター業務を合理化するクラウドベースのプラットフォームである「Amazon Connect」での新しい生成AI機能をいくつか明らかにした。

そのひとつが「Amazon Q」。生成AIを使用して、カスタマーサービスエージェントが顧客の質問に応答し、リアルタイムですべきことを推奨する。例えば、生成AIが顧客がレンタカーの予約変更のためにレンタカー会社に連絡していることを突き止めた場合、エージェントに対して、変更料金規定がこの顧客にどのように適用されるかを迅速に伝え、顧客が予約を変更するために必要な手順を伝える。

「Contact Lens」は、生成AIを使用して顧客との会話全てを要約。これは、責任者が業務をより適切に評価し、顧客感情に関する傾向を検出できるようにすることを目的としている。

「Amazon Lex」は、顧客サービス管理者が自然言語プロンプトを使用して、新しいチャットボットや事前録音された音声メッセージを数時間で作成できるようにする。あまり一般的でない応答を正確に解釈し、実際にスタッフと話す必要がある顧客の待ち時間を短縮すると期待されている。

「Amazon Connect Customer Profile」は、企業が他のさまざまなシステムからのデータに基づいて顧客プロファイルを作成する。これを使用すると、利用者は好み、購入履歴、やり取りをより深く理解し、よりパーソナライズされた顧客サービスを提供することができるという。

チョイスホテルはすでに、新しい生成AIサービスの一部を顧客サービスに活用している。

デルタ航空、Amazon Bedrockを活用してAIツールを構築

AWSのアダム セリプスキーCEOはカンファレンスの基調講演で、デルタ航空が「Amazon Bedrock」を使用して AI ツールを構築していることを明らかにした。

Amazon Bedrockとは、大手AI企業が提供する高性能な基盤モデル (FM) を単一のAPIで選択できるフルマネージド型サービスのこと。AWSは最近、企業がソフトウェア開発者によるコーディングを必要とせずに AIを活用したアプリを開発できるように、そのプラットフォームを一般利用できるようにした。

デルタ航空は、旅行規定、リアルタイムのフライトスケジュール、顧客の再予約オプション、空港の状況に関する情報について、より会話に近いスタイルで顧客の質問に答えるツールを設計しているという。

デルタ航空は昨年、同航空の技術を最新化するためにAWSと提携すると発表した。

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事: Amazon’s New AI Tools for Travel: How Delta, IHG, and Others Are Using AWS

著者:Justin Dawes氏

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