観光産業による世界経済への貢献額2024、史上最高の11兆ドル、雇用は3.5億人に、10年後は1.5倍の16兆ドルと予測

世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は、2024年の観光産業による世界経済への貢献額が、前年よりも7700億ドル(約116兆円)多い11兆1000億ドル(約1676兆円)に達し、史上最高を記録するとの見込みを明らかにした。これは、WTTCが実施した経済効果調査(EIR)の中で示したもの。

WTTCによると、世界の旅行需要がパンデミック後に急回復する中、調査対象185カ国中、142カ国がこれまでの国内記録を上回るという。

また、市場の拡大に伴って雇用も増加し、2024年の観光産業での雇用者数は世界で3億4800万人と予想。これは、過去最高だった2019年を1360万人以上、上回る。

同時に、旅行者の支出も拡大。海外旅行者の支出はピークだった2019年に迫る1兆8900億ドル(約286兆円)、国内旅行者の支出は5兆4000億ドル(約815兆円)となり、過去最高に達する見込み。

WTTC会長兼CEOのジュリア・シンプソン氏は 「観光産業は、依然として世界経済の牽引役となっている。これは単なる記録更新の話ではなく、もはや回復の話でもない。これは、このセクターが数年の困難な時期を乗り越えて最高の状態に戻ったという話だ」とコメントしている。

10年でさらに拡大、2034年には2400兆円

2023年の世界経済への貢献額は9.9兆ドル(約1495兆円)を超え、世界GDPの9.1%を占めた。雇用者数は2740万人増加し、約3億3000万人に増加した。

海外旅行者の支出額は前年比33.1%増の1.63兆ドル(約246兆円)、国内旅行者の支出額は同約18%増の5兆ドル(約755兆円)。

WTTCでは、観光産業の世界経済への貢献額は2034年には16兆ドル(約2400兆円)に達し、世界GDPの11.4%を占めるまでに拡大すると予想している。これにより、雇用者数も世界で4億4900万人に増加し、全労働者の12.2%を占めるまでに拡大。調査対象国の4分の3以上が、GDP貢献額で過去最高だった2019年の実績を上回ると見込んでいる。

※ドル円換算は1ドル151円でトラベルボイス編集部が算出

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