グーグルは、旅程作成にかかるAI機能をさらに拡充する。まず、生成AIチャットボット「ジェミニ(Gemini)」の有料版「Gemini Advanced」で、これまで以上にわかりやすい言語による簡単な質問で旅程を作成できるようにする。
また、従来のGoogle検索向けに今年リリースされたAI機能である「AI Overviews」の旅行計画オプションも強化。AI Overviewsは、オプトインした米国のユーザーのみが利用できたが、まもなくすべての米国のユーザーが利用することが可能になり、その後さらに多くの国でもリリースされる予定だ。
Gemini、真のAIアシスタントに
Googleの副社長でGeminiエクスペリエンス担当ゼネラルマネージャーのシシー・シャオ氏は、今回の進化について「チャットボットが真のAIアシスタント」という目標にさらに近づくことを示しすもの」と説明している。
例えば、「レイバーデー(労働の日)休暇に、家族とマイアミに行く予定です。 息子はアートが大好きで、夫は新鮮なシーフードを求めています。 Gmail から私のフライトとホテルの情報を取得して、週末の計画を手伝っほしい」との質問に対して、AIが複数の情報源から潜在的な旅行の選択肢を作成。パーソナライズされた休暇計画を提案する。
AI はフライトの時間を見て、旅行期間内で計画を作成。各フライトの前後に時間を考慮する必要があることも認識する。例えばフライトが午後4時28分に着陸するなら、AIは、到着後にアクティビティではなく、シーフードレストランでの食事を提案。 空港からは車で20分、荷物を預けて身支度するのに1時間、夕食まで歩くのに15分かかると推測し、午後7時30分に3軒のレストランをリコメンドする。
翌日は、多くのアクティビティを提案。 開始時刻の変更などの調整を行うと、AIが自動的に計画を再設定する。
今夏、Gemini Advancedに、この旅程作成機能が追加される。グーグルは今年2月にGemini Advanced をリリース。現在、Googleの最新AIモデル「Gemini 1.5 Pro」 にアップグレードされており、35か国語で利用することができる。
Google検索でのアップグレード
グーグルは、従来の検索バーで観光に関する推奨事項を取得できる方法もアップグレードした。より多面的な質問に答えるのに優れているという。「子供たちとダラスで1日過ごすのにいい方法は何ですか? 各選択肢の近くにあるアイスクリームショップをいくつか紹介してください」という質問例も紹介している。
その回答では、最初の選択肢はダラス動物園で、近くにある3軒のアイスクリームショップがリストアップ。他の選択肢としては、ダラス樹木園とペロー自然科学博物館があり、それぞれにアイスクリーム ショップが3軒ずつ提案された。結果の下には、それぞれの場所を示す地図もある。
さらに、計画を練っている段階で、質問の具体性が低い場合に、より詳細な推奨事項を提供できるように検索をアップグレードした。
例えば、「記念日のお祝いのディナーの場所はダラス」という簡単なプロンプトに対して、AI は、記念日にふさわしいレストラン、ライブ音楽と親密な雰囲気のレストラン、歴史的な魅力と優雅さなど、テーマに基づいていくつかのレストラングループを作成した。
この機能ではまもなく、食事の中身についても回答するようになり、その後、対象はホテルなどにも拡大される予定だという。
※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事:Google Takes Next Step in AI Trip Planning
著者:Justin Dawes氏