東京都渋谷区とハワイ州ホノルル市は2024年5月31日、姉妹都市提携に関する協定を締結した。同協定には、両自治体が相互に交流を深めることで友好関係を築き、観光、教育、スポーツ、環境などの分野における知識及び経験に関する情報の共有、経済的および産業的活動の促進、人的交流、そのほか相互協力が必要と認められる事項において協働で取り組んでいくことが掲げられた。
共通点を磨きあい、異なる点を学びあう関係に
渋谷区内でおこなわれた調印式では、長谷部健渋谷区長が挨拶。「本協定は、最初にハワイ州観光局からアプローチをいただいたことで協議がスタートした。昨年12月には私自身もホノルルを訪れ、日系の方々から渋谷に対する思いも聞かせていただき、熱い想いを持つことができた。多くの皆さんにこの協定を機に、渋谷区とホノルル市をさらに好きになってもらい、両方の都市にシティプライドを持っていただきたい」と語った。
リック・ブランジアーディ ホノルル市長の代理として式典に参加したアンディ・サグ主席補佐官は「渋谷区とホノルル市は、お互いのユニークな文化を共有しながら最高の都市にしていくという同じ目標に向かって、刺激をし合える仲間だ」と挨拶した。
リック・ブランジアーディ市長のビデオメッセージでは「渋谷とホノルルには、多くの共通点がある。都市部に豊かな緑が残されていること、多様な人々が集まる都市であり、ファッション、トレンドの中心地であること、それぞれの文化を世界中の人々とシェアしている点もそうだ。経済面においては、ビジネスパートナーとして無限の可能性を秘めているが、ホノルル市としては渋谷区から、我々の新しい鉄道システム『スカイライン』をいかに市民やローカルのビジネスに役立てられるかを学ばせてもらいたい」と喜びのコメントが紹介された。
渋谷区民がハワイを身近に感じられる仕掛けづくりも検討
渋谷区によると、今年度は準備期間に充てられ、2025年度から姉妹都市としての本格的な活動が開始される。また、今年12月には渋谷区訪問団のホノルル訪問も予定。まずは観光、教育、スポーツなどの分野における交流促進が中心となるが、環境、産業など様々な分野での連携にも期待がかかる。
式典に参加した渋谷区議会の丸山高司議長からは「渋谷区民がハワイを身近に感じられるような仕組みも考えていきたい。商店街のくじ引きの特賞をハワイ旅行とする場合は補助金が出るとか、我々のデジタル地域通貨ハチペイのボランティアポイントをマイルに換算できるなどのアイデアも出ている」とコメントした。
またホノルル市側からは「渋谷区には素晴らしいスポーツ施設が揃っているため、子どもだけではなく大人も含めた幅広い世代でのスポーツ交流に期待している」(アンディ・サグ主席補佐官)、「渋谷区は明治神宮という伝統の場所があり、広大な緑のエリアを守りながら革新的な都市開発をおこなう都市でもある。そうした都市開発のビジョンをホノルル市としても見習い、次世代に繋げていきたい」(クリシュナ・ジャヤラム副本部長)などのコメントがあがった。