ウェストジェット航空、成田/カルガリー線を通年運航に、アルバータ州は観光開発と先住民観光に投資を継続

2023年5月1日に成田/カルガリー線に週3便で就航したカナダ航空大手ウエストジェットは、今夏デイリー運航に増便し、今冬も週3便で運航を継続する。通年運航を実現することで、カナダから日本への訪日需要に応えるとともに、日本からアルバータ州への日本人旅行者の増加も目指す。

同社の日本就航1周年を迎え、州の観光団体とともに来日したアルバータ州ジョセフ・スカウ観光スポーツ大臣は「ウエストジェットとともに、新しいマーケットを開拓していく」と話し、日本市場拡大に期待を示した。

スカウ大臣は、同州では今年2月に長期観光戦略を策定し、航空路線の拡張、観光インフラの拡充などを進めることで、2035年までに観光消費額250億カナダドル(約2.8兆円)を目指すことも明らかにした。

州政府は、約1年前に観光・スポーツ省を創設。その初代大臣となるスカウ大臣は「アルバータ州がどれだけ真剣に観光に注力しているかの表れ。世界に対して強いメッセージになる」と話し、同州政府の政策として観光に力を入れていく方針を強調した。

アルバータ州スカウ観光スポーツ大臣

ウエストジェットのセールス&マーケティング担当VPアンドリュー・ギボンス氏は、日本での販売戦略について、「旅行会社との関係を引き続き重視していく」と発言。また、カルガリーからアルダー州内の主要都市や米国への乗り継ぎの利便性も強調した。

2024年12月2日(カルガリー発は12月1日)からは運航スケジュールは以下の通り。

  • WS81 成田18:35発/カルガリー11:36着/月・木・土(12月2日~3月8日)
  • WS81 成田18:35発/カルガリー12:36着/月・木・土(3月10日以降)
  • WS80 カルガリー14:00発/成田16:35(翌日)着/水・金・日(12月1日~3月7日)
  • WS80 カルガリー15:00発/成田16:35(翌日)着/水・金・日(3月9日以降)

ウエストジェットセールス&マーケティング担当VPギボンス氏。

カナダを代表する先住民観光の確立を

アルバータ州観光・スポーツ省次官兼アルバータ州観光公社CEOのデービッド・ゴールドスティーン氏は、同州の観光戦略について説明した。マーケティング、アクセス、プレイス(旅行体験の向上)の3つの柱でインバウンド観光客誘致を進めていく方針だ。

マーケティングではデジタルを活用した情報発信を強化。アクセスでは、国際路線拡大に向けて約3000万カナダドル(約34億円)を投資する。直近ではカルガリー/ソウル便の就航にもこぎつけた。

旅行体験の向上では、カナディアンロッキー、ジャスパーなど州内10地域を観光開発ゾーンに設定。有名観光地の周辺地域の観光資源を開発することで、シーズンを通じた集客に取り組んでいく。

同州では2021年~2024年にかけて、観光開発で6570万カナダドル(約76億円)を投資。なかでも先住民観光に注力しており、ゴールドスティーン氏は「アルバータ州は先住民観光に最も投資をしている州。カナダを代表する先住民観光を確立していく」と意欲を示した。また、州内で進むサステナビリティへの取り組みも観光コンテンツとして活用していく考えだ。

アルバータ州観光公社CEOゴールドスティーン氏。

日本市場では、教育旅行など学生のセグメントを重要なターゲットとして認識。ゴールドスティーン氏は「学生は将来のリピーターになりうる」として、ウエストジェットともに市場開拓を進めていく考えを示した。

※カナダドル円換算は1カナダドル115円でトラベルボイス編集部が算出

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…