米観光産業ニュース「スキフト(Skift)」は、2024年9月17日から19日にかけて国際カンファレンス「Skift Global Forum」を開催した。フォーラムには、世界のトラベル系企業から20人のCEOが参加、計35のセッションがおこなわれた。その中から、注目すべき10のトピックをピックアップした。
1. エアビーアンドビー(Airbnb)
ブライアン・チェスキーCEOは、「Airbnbモデルをさまざまなカテゴリに展開していく」と発言。Airbnbを旅行以外のプラットフォームにもしていく考えを示した。チェスキーCEOは、1年で2~3つの新たな取り組みをおこなうことを明言。それらを、10億ドル規模のビジネスにする目標を明らかにした。
2. マリオットホテル
マリオットのアンソニー・カプアーノCEOは、「米国や世界中の他の多くの市場では、確かに消費者が二極化している。低所得の消費者は実際にストレスを感じている一方、高所得の消費者は引き続き旅行や体験を優先している」と発言。主なホテルでは、高所得のプレミアムゲストへのサービス提供を急いでいることを明らかにした。
3. ブッキング・ホールディングス
ブッキング・ホールディングスのグレン・フォーゲルCEOは、「米国では、ブッキングはまだ小さな企業。これは素晴らしいチャンスでもある」と発言。同社は、短期宿泊レンタル(民泊)に注力していく。過去13四半期のうち12四半期でAirbnbよりも事業を成長させていると自信を示した。
4. ジェットブルー
ジェットブルーのジョアンナ・ジェラティCEOは、アラスカ航空とハワイアン航空の合併について、「米国の現政権下で、それが実現するかどうかまだ見通せない」との見解を示した。また、同社の戦略として高所得者の旅行者の獲得を掲げ、初のラウンジを開設すると発表した。
5. ラスベガス観光局とMGM
ラスベガス観光局のスティーブ・ヒルCEO兼社長は、メガイベントの誘致に注力すると発言。「毎年のF1レースに加えて、年の前半に目玉イベントを開催していく。毎年それを続けていく必要がある」と話した。
MGMリゾーツのビル・ホーンバックルCEOは、ラスベガスを訪れる観光客の半分が、フットボールの試合やコンサートなどのイベントを目的としたものであることを明らかにした。
6. MGMリゾーツ
MGMリゾーツは、ドバイでのエンターテイメント開発に注力している。その一つが「ドバイ・スフィア」。MGMリゾーツのビル・ホーンバックルCEOは、「300席を持ち、視覚的効果を備えたものになる」と明らかにした。
7. セルタレス
資産110億ドルをこえる未公開会社セルタレスの創設者グレッグ・オハラ氏は、ウェルネスツーリズムに注目。「これは旅行業界で数十億ドル規模のチャンスになる。」と話した。特に、長生きに焦点を当てたハイテク・ウェルネス・サービスを低価格で提供するところに大きな潜在性があるとした。
8. ボーイング
ボーイングのストライキは今のところユナイテッド航空の運航に影響を及ぼしていない。同航空最高商務責任者アンドリュー・ノセラ氏は「当面は予定通り運航できるだけの航空機を用意している」と話した。アイルランドのLCCライアンエアは、進行中のストライキのため、2025年の夏にボーイング機の受領数が減少すると予想している。
9. ドバイ観光局
ドバイ観光局のイサム・カジムCEOは「ドバイに注目を集めるため、これまでは有名人やインフルエンサーを起用してきたが、今後は方向転換し、一般の人たちや家族を使って、ドバイの良さを語っていく」と話した。この転換は、世界一高いビルや世界最大のショッピングモールを誇るドバイにとって、挑戦的な取り組みになる。
10. トリップアドバイザー
トリップアドバイザーのマット・ゴールドバーグCEOは、体験とアクティビティについて言及。「まだ大きな成長の余地がある」と話した。
※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事: 10 Things We Learned at the Skift Global Forum
著者:Lex Haris, Sean O'Neill, Meghna Maharishi, Rashaad Jorden, Dawit Habtemariam, Justin Dawes