日本生産性本部は「日本の労働生産性の動向2024」を発表した。経済成長や働く人の豊かさを実現する政策立案ならびに施策の展開に向けて、日本の労働生産性の現状を定点観測・分析して公表したもの。
それによると、2023年度の日本の時間当たりの名目労働生産性は5396円で、現行基準のGDPをもとに計算できる1994年度以降でみると最も高い水準になった。
実質ベースの労働生産性上昇率は前年度比0.6%増で、3年連続でプラス。四半期ベースでみると、2023年度前半の4~6月期(前期比0.8%減)、7~9月期(同0.1%減)はマイナスだったものの、後半に入ると10~12月期(同0.2%増)、2024年1~3月期(同0.5%増)とプラスに転じた。このことから、一貫して労働生産性が上昇していたわけではないと分析している。
足もとの2024年4~6月期は同1.0%減で、再びマイナスに転じており、労働生産性の上昇と低下が交錯するやや不安定な状況が続いている。
2023年度の日本の一人当たり名目労働生産性(就業者一人当たり付加価値額)は883万円。実質ベースの一人当たり労働生産性上昇率は、前年度比0.5%増と3年連続でプラスになったものの、2022年度(+1.3%)から0.8%ポイント落ち込んだ。
なお、観光産業の事業者が多く含まれるサ-ビス産業の労働生産性の上昇率は、前年度比-0.2%。2020年後半から概ね0%前後で推移しており、2024年4~6月期をみても停滞基調に変化は見られない。