岐阜県白川村は、交通に関するオーバーツーリズム未然防止対策の一環として、特設サイト「白川郷すんなり旅ガイド シラカワ・ゴーイング(SHIRAKAWA-Going)」を公開した。
3カ月先までの駐車場の混雑見込みを確認できる「混雑予想カレンダー」、渋滞状況をリアルタイムに把握できる「交通ライブカメラ」などがあり、タビマエに参考にしてもらうことで混雑日や混雑する時間帯を避ける「ずらし観光」を推奨し、渋滞緩和を目指す。
背景には、世界遺産・合掌造り集落がある荻町地区では、特定休日のゴールデンウイークやお盆、10月下旬から11月上旬の紅葉シーズンに駐車場混雑に伴う大渋滞が発生することがある。2023年の村内の駐車場利用台数年間約22万台のうち、8割を超える約19万台が普通車のマイカーもしくはレンタカーだった。鉄道のない村で国道が渋滞すると、観光も生活もストップしてしまうため、大きな課題となっている。
目安として、「混雑予想カレンダー」で「非常に混雑」と表示された日は、昼食やトイレ休憩がとれないほど身動きできない大渋滞が発生するため、旅行の計画を「旅行日をずらす」か「朝早く到着する」か再考してほしいとしている。また、村内各所のライブカメラ映像で駐車場に向かう車の様子を配信。サイトでは、混雑を避けるルート、各道路の交通規制状況、トラブルを最小限に抑えるアラート表示といった情報も提供する。
同村は、レスポンシブル・ツーリズム (責任ある観光)を推進しており、「世界遺産白川郷では、自然・暮らし・観光の調和を大切にし、これからも美しい村での忘れられない観光体験を提供する。調和の輪の中にレスポンシブル・トラベラー(責任ある旅行者)にも加わってもらい、より大きな調和を生み出していく」と呼びかけている。