2024年11月19日から21日かにけて米フェニックスで開催された「フォーカスライト・カンファレンス2024」では、恒例となる旅行業界のイノベーション企業を表彰する「Innovation: Launch」が開催された。世界の観光におけるリーダーが集う会場で、参加者が選ぶ「People’s Choice Award」はMobi社が受賞。同社は「Travel Innovator of the Year」で準優勝にも輝いている。
Mobiは、さまざまなソースからデータを取得、整理、フォーマット化し、アクティビティ、アトラクション、食事オプション、交通機関など、場所や施設に関する正確な情報をリアルタイムで提供している。
目的地や日付など、従来の旅行検索から解放
Mobiは、観光産業に特化した旅行者の意図を最大限に反映する「Intent-driven search」を開発。同社プロダクト担当副社長のハリエット・ブラウン氏はプレゼンテーションで、「旅行者が目的地や日付に縛られることなく、できること、見ること、食べること、体験することに基づいて、最適な場所にある最適な宿泊施設を見つけられるようにする」と説明した。「世界中の70万軒以上のホテルをメインターゲットとして、ホテルの直接予約を増やし、ロイヤルティを高め、超パーソナライズされた顧客体験を生み出す」という。
生成AIのなかで注目されている大規模言語モデル（LLM）は、基本的に予測モデルであるため、必ずしも最新の現実世界の事実に基づいているわけではない回答も生成する。一方で、Mobiは、適切な部分に適切なAIツールを使用。関連する施設をランク付けして見つけ出すという。
特定の部屋タイプやアメニティを探している場合でも、施設以外のもの、例えば、そこの地理、気候、近くのダイニングや体験、さらには見ることができる動物まで、探しているものが何であれ、探し出すことができる。
ブラウン氏は、「大手ホテルブランドの会員になっていたとしても、そのホテルのサイト以外の場所からの検索を始めると、ユーザーは途中で迷ってしまい、他のホテルブランドを予約することにもなりかねない。ホテルチェーンの予約サイトは、今のところ、目的地と日付を入力するだけだが、同じチェーン内で、いろいろな目的地を探せるいい方法がある」と話す。
プロダクト担当副社長のハリエット・ブラウン氏
同社は、ホテルに焦点を当て、数週間で稼働が可能な完全組み込み型のエンドツーエンドのユーザーエクスペリエンスから、既存の検索ソリューションにプラグインできるサービスまでを提供。すでに、欧州の大手ホテルブランドが今年末にも同社のソリューションを導入し、現在世界大手ホテルブランド5社とも協議を進めているという。
※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスワイヤ（PhocusWire）」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事：MOBI NAMED PEOPLE’S CHOICE WINNER AT THE PHOCUSWRIGHT CONFERENCE 2024
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