2025年の訪日客数は4000万人超えか、日本人の海外旅行は、大都市圏在住の29歳以下が意欲的 ―JTBが旅行動向見通しを発表

JTBは、2025年(1~12月)の旅行動向見通しを発表した。それによると、日本人の総旅行人数は前年比2.9%増の3億1910万人、このうち国内旅行は、同2.7%増の3億500万人、1人あたり旅行費用が同1.1%増の4万7800円に上ると推計。海外旅行は同8.5%増の1410万人、訪日外国人旅行者数は同8.9%増の4020万人と予想した。

見通しは、各種経済指標、消費者動向、運輸・観光関連データ、JTBグループが実施したアンケート調査などから推計した。

国内の1人あたり旅行費用は4.8万円

日本人の国内旅行の3億500万人はコロナ禍前の2019年比でも4.7%増。1人あたり旅行費用の4万7800円は物価の上昇から同25.5%増となる見込みだ。雇用や給与が良化し、暮らし向きもゆるやかな改善が期待されることから、旅行の追い風になるとみている。国内総消費額は前年比3.8%増、2019年比13.2%増の14兆5900万円と推計した。

また、同社のアンケート調査で2015年1~12月の1年間で1泊以上の国内旅行を実施する意向を聞いたところ、「1回」が28.3%、「2回」が20.5%、「3回」が11.2%、「4回以上」は14.5%。性年代別では、「女性29歳以下(86.5%)」が最も高く、次いで「女性30代(81.2%)」、「男性30代(78.0%)」、「女性70代(75.9%)」となった。居住地域別にみると、国内旅行を実施する人の割合は「中国・四国地方(77.7%)」が最も高く、「近畿地方(77.6%)」が続いた。

ただ、国内旅行に「一度も行かない」と答えた人は25.4%。理由は最も割合が高いのが「家計に余裕がないから(35.4%)」、次いで「旅行費用が高いから(23.4%)」、「旅行に興味がないから(14.6%)」となり、予算面の厳しさが引き続きみられる。

海外旅行は1410万人を予測、大都市圏の29歳以下が意欲的

海外旅行については、2019年並みの2000万人超えが期待されるが、2025年は2019年比で29.7%減の1410万人になるとみているおり、「今後為替相場が落ち着けば盛り上がり、東アジアなど近距離方面だけでなく、ヨーロッパやオセアニアなどの中長距離方面も伸びるだろう」した。1人あたりの旅行費用は2024年の31万4500円からさらに増加し、2019年比では40.9%増の33万4100円と予想した。海外総旅行消費額は前年比15.2%増、2019年比1.3%減の4兆7100億円とみている。

前述のアンケート調査で、1年間で1泊以上の海外旅行を実施する意向については、「行く予定」と答えた人は21.1%。同社では、2024年の旅行実施率8.7%と比較すると大幅に増加した。性年代別では、「女性29歳以下」が34.3%で最多、続いて「男性29歳以下 (27.5%)」、「男性30代(26.0%)」となった。居住地域別では、「行く予定」の割合は「関東地方(24.5%)」、「近畿地方(22.6%)」、「中部地方(18.6%)」の順となった。

一方で、海外旅行に「一度も行かない」と答えた人は78.9%。理由は「旅行費用が高いから(33.6%)」、「家計に余裕がない(26.4%)」などと経済的な理由が上位を占めた。

訪日旅行者の予測の4020万人は、過去最高となった2024年をさらに上回り、2019年比で26.1%増だが、前年比では8.9%増の4020万人とゆるやかな伸びを見込む。ただ、回復が遅れている中国も、ビザ緩和措置などの条件が整えば、2019年並みに回復する可能性があるとした。

発表資料より

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