健康志向が加速する中国・東南アジア、栄養ラベルやブランド背景の説明が商品購入のカギに ―ユーロモニター調査

国際的な市場調査会社ユーロモニター・インターナショナル社は、消費者調査「ボイス・オブ・ザ・コンシューマー:健康・栄養サーベイ」(21カ国、各国約1000名を対象に毎年実施)などをもとに、アジア太平洋地域の飲食業界のトレンドを発表した。それによると、食事に気をつかう人が増加し、便利でリーズナブルな健康食品、栄養ラベル表示の重要性が高まっている。日本にとって主要なアジア太平洋地域からのインバウンド客を受け入れるうえでも参考になりそうだ。

なかでも中国は、2022年から2029年にかけて、無糖・低糖製品が茶、炭酸、エナジー、スポーツ飲料市場全体に占める割合が13.6%から26.8%に拡大する見込み。東南アジアでも可処分所得の増加や健康生活を推進するための政府による規制を背景に健康意識の高まりがみられ、ベトナムでは2026年から加工食品、ソフト飲料に含まれる飽和脂肪の含有量表示が義務付けられる予定だという。

半数が、健康的な原材料のために支払い増を許容

また、2024 年に実施されたライフスタイル調査によると、東南アジア主要6カ国の消費者のうち、58%が飲食料品には健康的な原材料を求めており、47%が栄養ラベルを注意深く読むと回答。消費者のうち2人に1人が健康的な原材料のためであれば、お金を多く払っても良いとしている。

こうした結果を受け、同社でアジア太平洋地域の飲食料市場を調査するコンサルタントの松永芽恵氏は、「食の安全に強い関心を寄せる傾向は、特に中国・東南アジアで顕著。栄養成分表示、バックグラウンドや、原料リストに記載されている素材についてリサーチしている。商品パッケージやSNSのアカウント上で、何が、なぜ、何に良いのかを明記することで、消費者に安心感を与え、商品購入へのハードルを下げることができるだろう」などとコメントした。

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