成田空港、2期ぶり増収増益、純利益は過去最高に ー2013年3月期決算

成田国際空港が2013年3月期の連結決算によると、東日本大震災の影響からの回復、日系LCCの国内線新規就航などにより、営業収益が前年比9.0%増の1892億円、営業利益が同62.9%増の347億円、経常利益が同109.8%増の275億円となり、2期ぶりに増収増益を達成した。また、当期純利益も同331%増の153億円と大幅に増加し、2004年度の民営化以来過去最高を記録した。

2012年度の航空機発着回数は、尖閣諸島問題、ボーイング787運航停止などの影響は一部あったものの、同13.3%増の21万2000回に達し、それにともない旅客数も同15.9%増の3343万人となった。一方、航空貨物量は、内外経済の低迷やメーカーの生産立地構造の変化などにより輸出入とも減少したものの、成田を経由した三国間輸送の仮陸揚貨物が増加したことにより、同0.4%減の192万トンとほぼ前年並となった。

各事業の経営実績を見ると、空港運営事業は空港使用料、旅客施設使用料、給油施設使用料いずれも増加したことにより、営業収益は同10%増の1074億円に増え、78億円の営業利益を計上した(前期15億円の営業損失)。リテール事業は物販・飲食収入や構内営業料収入が増加したことにより、営業収益が同10.7%増の486億円、営業利益が同 21.0%増の 137 億円。施設貸付事業では事務室の新規貸付などにより土地建物などの貸付料収入が増加したことで、営業収益が同 2.7% 増の 301 億円、営業利益が同 10.6%増の 127 億円となった。さらに、鉄道事業では、成田スカイアクセスの線路使用料収入が増えたことで、営業収益が同 20.2%増の 28 億円となり、4億1000万円の営業利益を計上した(前期は3100万円の営業損失)。

2013年度の航空機発着回数は、2013年夏ダイヤからのオープンスカイにより新規就航や増便が増えると見込まれ、また日系LCC運航の通年化などにより、前年比8.8%増の23万1000回になる見通し。これにともない、旅客数も同5.3%増の3522万人に達すると予測している。連結業績予想では、営業収益1923億円(同1.6%増)、営業利益362億円(同4.2%増)、経常利益293億円(同6.3%増)、当期純利益165億円(同7.7%増)をそれぞれ見込んでいる。

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