Hotels.comのホテル宿泊料金調査「Hotel Price Index(*)」の最新版によると、2013年上半期に旅行者が支払った平均宿泊料金は、前年同期より2%上昇した。平均宿泊料金は2010年から緩やかに上昇しており、ピークであった2007年上半期よりは8ポイント低いものの、2006年の水準まで回復しているという。
地域別では、中南米地域が7%上昇。アメリカ経済の順調な回復を受けて、北米は3%増、カリブ海地域は5%増となり、世界平均を上回った。太平洋地域とヨーロッパ・中東地域は1%増と停滞。太平洋地域の減速は、鉱物資源産業が低迷したオーストラリアのビジネス客が減少したのが要因だ。ヨーロッパはユーロ圏が景気後退から抜け出したものの、回復のスピードは緩やかだという。
一方、アジア地域は2%減で、唯一減少した地域となった。各都市とも稼働率は好調だったが、日本円やインドルピーの下落と中国への旅行者数の減少が影響した。
ただし、中国人の海外旅行については、自国の景気減速の影響に関係なく伸びているといい、Hotels.comでは世界のホテル価格に影響を与える現象として、中国人の海外旅行の急速かつ大幅な増加をあげた。観光研究員の2013年報告によると、中国の海外旅行件数は8300万と推定されているという。
(*)Hotel Price Index:ホテルズドットコムが、独自におこなった定期的な調査に基づく世界の主要都市のホテル宿泊料金。今回の調査は2004年を100とし、世界中で旅行者が実際に支払った1泊1部屋あたりの料金を対象に算出したもの。