【年頭所感】KNT-CT代表取締役社長、戸川和良氏 -社員の研鑽努力と連携強化に強く期待

KNT-CTホールディングスは、2014年1月6日の年賀式で代表取締役社長の戸川和良氏が述べた年頭挨拶を発表した。

景気の自律的回復の動きが強まりつつある動向や、旅行業界内での国内旅行やクルーズ旅行の活況を踏まえた上で、依然として「コモディディ化」が課題であると指摘。企業に高利益をもたらす経済活動領域を起点としてビジネスをデザインし、時代に対応しながら革新する必要性を述べた。また、「お客様に信頼される会社」、「社員が楽しく、力を合わせることのできる会社」の方向性は変わらず、引き続き社員の研鑽努力と連携強化を呼びかけ、そのための投資もさらに充実していく意向を述べた。

発表された年頭挨拶(要旨)は以下のとおり。原文のまま掲載する。

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皆さん、新年明けましておめでとうございます。新たな決意の下、新年を迎えられたことと思います。

新年度のスタートにあたり、ごあいさつを申し上げます。

わが国の景気動向は、政府の緊急経済対策や日銀の金融緩和政策を背景に回復基調にあり、4月に控える消費税率引き上げに伴う変動要素はあるものの、デフレ脱却に向けた自立的回復の動きが徐々に強まりつつあります。旅行業界に目を向ければ、昨年は、伊勢神宮、出雲大社のご遷宮をはじめ、東京地区、富士山といった注目観光地、またクルーズ旅行などが人気を集めましたが、「コモディティ化」という課題を抱える状況に大きな変化は見られませんでした。

「コモディティ化」とは、お客様に提供する商品が個性を失い、つまり機能や品質、ブランド力などが均等化され、価格や容易に購入できることだけを理由に選択が行われる状況のことです。お客様にとって、どの旅行会社を利用しても、または直接サプライヤーから購入しても同じ状況になることによって、結果的に価格競争のみに力点が置かれ、それが企業収益を悪化させる最大の要因になっています。

こうした環境の中、私たちは、売上高・市場シェアの拡大だけが目的ではなく結果のひとつであることを認識し、企業に高い利益をもたらす経済活動領域を起点としてビジネスをデザインし、またそれを時代に対応しながら革新していく必要があります。

統合シナジーの加速に向け、本年1月より組織の一部改正を行いました。特に注目点は、「スポーツ事業部」および「地域事業部」の設置です。2020年夏季オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定し、今後、市場の拡大が見込まれるスポーツ関連事業、地域誘客・交流事業に関して、グループ全体の営業戦略の立案および推進の指導、情報の収集・提供などの機能を有する専門部署を設置し、グループ全体で一層の取組強化を図ります。加えて、成長が見込まれるアジアを中心とした訪日個人旅行事業について、ホールディングスが主体となった取組みを進めるため、「訪日FITセンター」を新設しました。昨年の訪日外国人旅行者数は、1,000万人の大台を超え、2030年には3,000万人を超えることを目指してオールジャパン体制で取組みが進められています。特にアジア地域は、今後の経済成長や所得水準の上昇などを背景に、グローバルなアウトバウンド市場においてもその存在感を高めてくることが予想されます。今後も訪日旅行部が中心となって、中期経営計画の重点施策でもある「アジアを中心としたグローバル事業の展開」を将来の中核事業にすべく、より一層推進します。

私は昨年の年頭あいさつの中で、「お客様に信頼される会社」、「社員が楽しく、力を合わせることのできる会社」ということを申し上げましたが、その方向性は全く変わりません。IT 環境の急速な進展によって、お客様自身が多くの情報を容易に得ることができるようになった現在、社員がプロフェッショナルとしてのプライドを持ち、お客様を上回る有効な情報、知識と経験を身につけ、皆で協力し合いながら提供する商品サービスの高度化を図り、ロイヤルティの高いパートナーとしてのお客様を増やしていかなければなりません。引き続き、グループ社員の皆さん一人ひとりの研鑽努力と連携強化に強く期待するものでありますし、そのための投資もさらに充実していきたいと考えています。

最後になりましたが、グループ社員の皆さん、ならびにご家族のご健康とご多幸を祈念して、年頭のあいさつとします。

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