東京都は2015年度予算案で、「外国人旅行者等の誘致」に前年比224%増となる81億円を計上した。2015年度は「東京を『世界一の都市』へと飛躍させる予算」との位置づけで予算編成をしており、国際観光都市・東京の実現を目指す「『おもてなし』の心を備えたまちづくり」関連に、あわせて271億円を充てた。
「外国人旅行者等の誘致」では、WiFi環境の整備や多言語案内の充実、観光ボランティアの育成などハード・ソフト両面からの基盤整備を推進。新たに東京ブランドの推進や、民間事業者と連携した誘致事業を行なうほか、MICE誘致策として学術系国際会議誘致促進事業や、受入環境整備としてデジタルサイネージを活用した観光情報の提供、街なか観光案内の整備なども盛り込んだ。
また、「多彩な観光資源の開発・発信」には、78.5%増の25億円を計上。新しい観光情報センターの整備により観光案内機能の充実を図るほか、都庁を日本全国の観光情報発信拠点と位置付け、地方創生への実現に向けて全国の自治体と相互連携した観光施策も展開していく。
このほか、「ユニバーサルデザインの推進」(22億円)では、「バリアフリー観光の推進」や「自転車走行空間の整備等」(13億円)でも、国・都・区市道を結ぶ推奨ルートの整備と自転車シェアリングの広域化を推進。さらに、「東京港の整備」には62.4%増の432億円を充て、国際コンテナ戦略港湾としての国際競争力を高める一環として、大型クルーズ客船の寄港に対応できる新客船埠頭の整備も盛り込んだ。
なお、予算案の一般会計総額は6兆9520億円。オリンピック・パラリンピックの開催準備関連では514億円を計上。開催に向けた普及啓蒙や大会開催を契機としたレガシー形成など開催準備としては84%増の46億円、競技施設等の整備には988%増の468億円とした。