ヤフー決算発表、旅行含むショッピング事業が26.5%増で躍進、スマホシフト顕著でアプリ強化へ

ヤフーの代表取締役社長の宮坂学氏は2015年度3月期(2015年4月1日~2016年3月31日)連結決算の発表の場で、これまで目指してきたPCからスマートフォンへの利用が一定の実現に達したとの認識を示し、2016年度はアプリからの利用を強化していく方針を語った。

2015年度3月期の連結決算では、広告関連の売上高の41.4%、Eコマース国内流通総額の41.2%がスマホ経由となり、4割を超えた。1日あたりのユニークブラウザ数(DUB)ではPC経由が微減したのに対し、スマホ経由は25.6%増と大幅に増加。2015年度第4四半期(2016年1月1日~3月31日)には、スマホ経由が5428万ブラウザとなり、全体の62.4%を占めるようになった。

発表資料より

アプリの強化はこうした順調なスマホシフトを踏まえたもの。すでに2年連続で国内アプリダウンロード数は1位となっているが、さらに強化していく。ヤフーは現在、合計約100のアプリがあるが、それを複数の強い「フラッグシップアプリ」に集約し、その周囲に「小粒でピリリと効くアプリ」を配置する戦略で、サービスの競争力を強化。「アプリでもヤフーを証明する」と意気込む。

また、Yahoo!トラベルを含むショッピング関連では、取扱高が2015年度第4四半期に67.3%増の1607億円となった。2015年度に実施したポイント5倍のキャンペーンに加え、出店・出品料無料のEコマース革命から3年間の取り組みで基礎がついたとの認識。ショッピングを含むEコマース事業の2015年度の国内流通総額は26.5%増の1.5兆円に達したが、今後はさらに伸ばしていく方針。

これに、先ごろ開始した電子マネーを含む決済・金融事業を連動。自社グループの決済サービスの比率を上げ、さらにヤフーカードやヤフージャパンバンクの利用度を増やしていく。この3段構えの構造でさらなる成長を目指す考えだ。

なお、2015年3月期の連結売上高は52.2%増の6523億円、営業利益が14.1%増の2249億円、当期利益は29.0%増の1716億円で、いずれもサービス開始以来19連続で増収。宮坂氏は「一つの区切り」と評価する。Eコマース国内流通総額のうち、yahoo!トラベルを含むショッピング関連は40.1%増の5223億円。これはアスクルの連結化が大きく寄与したという。

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