旅行関連調査会社の米フォーカスライトはこのほど、中国人の個人旅行者(FIT:Free Independent Traveler)の消費行動や嗜好に関する調査を実施した。それによると、中国人FITが海外旅行先を決める時期は、「出発1~2週間前」が約3割(32%)、「出発1週間未満(6日前から当日)」が18%。約半数が2週間以内という短い期間で旅行を計画していることが分かった。
旅行先を選定するうえで"非常に重要"とするのは、「目的地が安全、またはそこの政情が安定していること」(65%)、「公害が少なく清潔な環境であること」(36%)、「自然があること」(35%)の3点。「ショッピング」はアクティビティとして重要とされるが、海外旅行の目的は「日常生活から離れてリラックスするため」(56%)が最多となる傾向も判明した。
中国人FITのおもな属性をみると、最も多い年齢層は25~34歳(全体の41%)で、学歴は学士号以上が77%。収入は月額25万2000円以上で、海外旅行の平均回数は5.5回。高学歴で可処分所得が多い若い世代がパッケージツアーや団体旅行ではなく、自分で計画を立てて海外旅行に出かける傾向がうかがえる。
一回の海外旅行で消費する金額は平均29万7600円で、約3割(29%)が33万円以上消費。おもな内訳は、ショッピングが平均11万5100円、航空券が7万5500円、宿泊費が5万1700円、食事が3万4900円。ショッピング消費の割合が大きい様子が浮き彫りになっている。
なお、海外旅行の時期や期間をみると、FIT旅行者の77%が5月から10月に集中。3泊以内が29%、4~6泊が40%、7泊以上が26%を占めた。直近の海外レジャー旅行先で最も多かったのは日本。次いで、タイ、韓国、アメリカと続いたという。
今回の調査は、18歳以上の中国人男女のうち過去一年にレジャー旅行を経験者した3043名を対象に実施したもの。そのうちFIT旅行者に該当するのは1043名だった。詳細は有料の報告書「 China Unbounded:The Rapid Rise of China’s Outbound Millions」にまとめられている。