一冊の旅雑誌から始まるヨーロッパの旅、斬新な映像に釘付け
今回、紹介する動画は一冊の雑誌から始まる旅の物語。ひとりの女の子が時空をワープしてヨーロッパの街々を訪れます。タイムラプスの手法を使った斬新な映像表現は、テレビの某番組でも紹介されました。
2分12秒で訪れているのはポーランドのクラクフ、チェコのプラハ、イタリアのベニス、スイスのラウターブルンネン、スペインのバロセロナ、フランスのパリ、オランダのアムステルダム、ドイツのベルリン。ガイドっぽくないので、押しつけがましさがなく、自然な旅の楽しさがいいですねえ。
この映像は、タイムラプス・メディアというプロダクションが制作したもので、Topdeck TravelというOTAがサポートしています。ただ、コマーシャル臭さはまるでなく、エンドロールでTopdeck Travelという名前が出るだけ。
HYPEUROTRIP(Vimeo:約2分)
私はこの動画で、H.I.S.の「わすれられない夏」というテレビCMを思い出しました。これも、企業のコマーシャルというよりも旅行の需要喚起を狙ったもので、商売気のないCMに好感をもった視聴者も多いと聞きました。H.I.S.の方によると、このCMを見て店舗に足を運んだという人も結構いたといいますから、わからないものです。選挙運動のように企業名や商品名をひたすら連呼するCMが売り上げにつながるとは限らないということでしょう。
旅行に行きたいと思わせないと、旅行商品は売れません。本来、観光局が担う役割なのでしょうが、一企業が制作してしまうところに、H.I.S.の遊び心と、それをよしとする懐の深さを感じます。やっぱり、世界を放浪した人がつくった会社だからでしょうか。
トラベルジャーナリスト 山田友樹