旅行者は「いつ」予約をするのか? 大型連休前は「1ヵ月前から」が最多、複数サイトの閲覧者ほど成約率高く

広告・マーケティング事業のクリテオはこのほど、2017年度トラベルレポート(Japan Travel Seasonality Report 2017)を発表した。旅行者の行動について、季節要因が与える影響やモバイルデバイス浸透率などの観点から分析し、マーケティング戦略に使える見解を提供するもの。

旅行サイト訪問のピークは7月、季節によって予約時期に変動あり

旅行者が予約する時期をみると、旅行サイトの訪問率と予約件数は「7月」がピーク。ゴールデンウィークや夏休みの旅行は1ヵ月以上前に予約する人(早期旅行者)が45%に対し、年末年始の旅行は55%を占めることが判明。それ以外の通常時期は0~9日前に予約する人(直前予約)が36%、10日~30日前に予約する人(通常予約者)が27%、1カ月以上前に予約する早期予約者が37%であることから、大型連休時は早期予約者が一段と増える傾向がみて取れる。

年間を通じた旅行サイトの訪問者数と予約件数、および旅行を計画する場合の検討開始時期の比較は以下のとおり。

クリテオ:報道資料よりクリテオ:報道資料より

旅行予約は複数サイト×複数デバイスで

旅行サイトで予約行為を行うデバイスは、年間を通じて「デスクトップPC」が最も多いものの、2016年1月の65%から12月は56%に減少。そのぶん、モバイル経由の予約が増えることが分かった。また、あるホテル予約サイトが提供したデータによれば、約6割が、特定のデバイスではなく、パソコンやスマートフォン、タブレットなど複数デバイスを組み合わせて活用する傾向が見られたという。

予約に至るまでの予約サイト訪問頻度は以下のとおり。

クリテオ:報道資料より

一方、予約に至るまでの行動を見ると、最終的に予約行為(コンバージョン)に至るユーザーのうち、旅行サイトを週3回以上訪問する人が約半数(50%)。32%が旅行サイトを毎日訪問していた。また、コンバージョン率は、比較検討しているサイト数に比例する傾向もみられ、たとえば「1つの旅行サイトしか閲覧していない人」のコンバージョン率を1とした場合、6つ以上の旅行サイトを比較検討した人のコンバージョン率は4.7倍に。多数のサイトを見て迷っている人ほど、予約行為に至る確率が高いことを示唆する結果となった。

サイト閲覧数とコンバージョン率の比較推移は以下のとおり。

クリテオ:報道資料より

クリテオではこれらの結果を受け、ユーザーが1ヵ月前から旅行を計画することに言及。旅行業界の対応としては、特にゴールデンウィーク、夏休み、シルバーウィーク、年末年始といった大型連休1ヵ月前のタイミングをうまく活用して需要を取り込むと同時に、複数デバイス(クロスデバイス)における顧客接点を意識したマーケティング戦略を実践すべきだとしている。

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