JTB、中国人向け新アプリ会社に出資、人気テレビ番組に連動した旅行商品を販売へ

JTBは2017年5月15日(予定)から、日本を訪れる中国人旅行者向けに、テレビ番組連動型の情報アプリ「最霓虹(BEST NIHON)」で旅行商品の提供を開始する。中国・上海のメディア企業である上海日欣文化伝媒(上海ルーセント)ら中国企業が設立する新会社「上海淘最霓虹网络科技(上海ベストニホン)」に出資して、参画するもの。JTB取締役の訪日インバウンドビジネス推進部長、坪井泰博氏は「団体旅行から個人旅行に、一極集中から地方分散に向けて、市場トレンドを反映して視聴者の要望に応えたい」と意欲を示した。

新たなアプリで提供されるサービスは、現地の人気テレビ番組の視聴者を対象に、アプリケーションサービスを通じて着地型の訪日旅行商品などを提供。データサービスなども多角的に展開し、訪日インバウンド市場のさらなる活性化につなげていく。対象となるのは、情報番組「東京印象」とその姉妹番組「地方版印象シリーズ」。中国全国のデジタルテレビや人気動画サイトなどで配信中されている。現在、毎週2話が配信され、視聴者数は毎週200万人程度の人気番組となっているという。

今回発表された訪日アプリケーションサービス「最霓虹(ズイニホンBEST NIHON)」は、同番組の視聴者からの強いリクエストに応える形で開発。ここでは季節ごとの日本の魅力を発信する番組内容と連動し、ホテルやパッケージツアーなどの着地型旅行商品を販売。そのほか、チケット予約や格安航空券チケット、渡航ビザ代行、日本の土産品の配送サービス、「るるぶ」グルメガイドなどの実用的なサービスも提供予定。さらに、日本での健診ツアーや結婚写真ツアーなども販売していく計画だ。

アプリケーションは、中国の大手モバイル決済「Alipay」「Wechat Pay」のほかクレジットカード決済に対応することで中国人ユーザーの需要に対応。日本国内の事業者向けには、広告サービスやBtoBアプリ情報掲載などを展開。訪日中国人旅行者の来店喚起につながるよう、GPS機能付きの店舗情報を掲載するという。

▼「最霓虹(BEST NIHON)」サービスイメージ

JTB:報道資料より

新会社として設立されたのは「上海ベストニホンネットワークテクノロジー有限公司」。今年2月に設立され、常務副総経理として立川幹規氏が就任している。立川氏は、新たなサービスについて「番組連動がどうなるかがカギ」として、番組中でアプリを紹介したり、視聴者の要望を分析しながらの商品開発型の展開に意欲を示した。

なお、今回の新会社へのJTBの出資比率は10%。今後、番組連動の商品を提供するだけでなく、日本側からのおすすめ観光地などの提案も行っていく。

新サービス発表会見の模様

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…