ナビタイムジャパンとJTB総合研究所はこのほど、アンケートと旅行者のGPSデータに基づき、日本を訪れた台湾人旅行者の行動と意識を調査・分析した。それによると、日本への平均旅行回数は6.29回。また、ほぼすべての旅行者(97.0%)が「非常に満足」「満足」と回答し、94.8%が2年以内に再訪を希望。満足度の高さに伴い、リピーターとなる意欲が極めて高い様子が明らかになった。
40代では「10回以上」のリピーターが3割以上、若年層ほど満足度が高い傾向も
訪日旅行回数をみると、平均回数は6.29回だが、高齢者ほど訪日回数が上昇する様子も確認できる。例えば40代以上では「10回以上」日本を訪れたことがある人が34.3%に至っている。また、「非常に満足」「満足」と回答した割合は訪日旅行回数にかかわらず95%以上。特に若い世代ほど「非常に満足」の割合が多い様子も判明している。
平均訪日旅行回数と満足度・再訪意向は以下のとおり。
リピーターほど「滞在型」「地方訪問」の傾向が上昇
宿泊場所をみると、直近の訪日旅行の宿泊場所は、リピーターは「1箇所」が40.7%、初めての旅行者は「3箇所以上」が38.6%でそれぞれ最多となったのが特徴だ。
また、1~2箇所に宿泊した人の割合はリピーターのほうが多い結果になったことから、訪日旅行回数が多くなるに従い、少ない箇所に宿泊する「滞在型」を好む傾向があるとみられる。
一旅行あたりの宿泊箇所数と平均旅行日数の傾向は以下のとおり。
また、訪日回数と訪問先都道府県の関係をみると、リピーターと訪日旅行初心者の傾向が異なる点が分かる。「訪日5回以上」では、首都圏や関西ではなく、東北や北陸、中部、中国・四国といった地方が多くなる傾向がみられた。
具体的には、特に初めての旅行ではゴールデンルートといわれる「首都圏から関西」、札幌~函館~旭川ルート、福岡~長崎ルートが人気。一方で、リピーターによる「直近の1つ前の旅行」では、これらのルートに中部、金沢、富山など(昇竜道)のルートが加わる傾向が強かった。さらにリピーターの「直前の旅行」では、これらに青森、盛岡、仙台といった東北圏が加わる様子がみられたという。
同レポートではこの結果より、東北や北陸といった地方の商機が今後高まる可能性があると分析している。
台湾人の情報収集は「体験談のクチコミ」が最多
台湾人が日本への旅行とショッピングについて利用する情報源をみると、「友人や家族の体験談」が最多(全体の65.9%)。次いで「ツイッターやフェイスブックなどの投稿」(49.9%)、「テレビ」(45.3%)と続いた。一方で年代別に見ると、40代以上は「雑誌」「ポータルサイトでの検索」「旅行先の国や町のサイト」などが他の世代より多いのが特徴的。一方で30代は「個人のブログ」、20代は「ツイッターやフェイスブックなどの投稿」が多い結果となった。
このアンケート調査の対象は、2015年9月以降に個人で日本を訪問したことがある台湾の男女800名。調査期間は2017年1月11日から17日。
また、ナビタイムのスマホアプリ「NAVITIME for Japan Travel」ダウンロード事のアンケート回答や、ユーザーの同意を得て取得したGPSデータも利用。同データの抽出期間は2015年9月1日から2016年8月31日までの一年間。対象者は同アプリを日本で利用した旅行者1万408名。