KNT‐CT、組織再編で変わる海外旅行の販売体制を発表、ウェブ販売会社との連携もカギに

KNT-CTホールディングスは、海外旅行の商談会「海外旅行交流コンベンション」を開催した。冒頭の挨拶では執行役員海外旅行部長の稲田正彦氏が、来場したビジネスパートナーに海外旅行の販売現況と、今年10月から2段階で実施する構造改革後の販売について説明。その後、記者らの質問にも答えた。

稲田氏が語った構造改革後の個人旅行の海外旅行販売のポイントは以下の通り。

  • 各社の横断的な事業戦略の策定や事業推進機能は、ホールディングス内の海外旅行部が担う。
  • 個人旅行の主催商品はホリデイを旗艦商品とし、全国展開する。
  • 商品造成はクラブツーリズムと地域旅行会社が行なう。クラブツーリズムは、添乗員同行商品や長距離方面の商品が中心。地域旅行会社は、発地に応じた2アップ商品が中心。
  • 仕入れは航空座席、ホテルやその他ランドを含め、造成各社が行なう。ただし、航空座席は海外旅行部が取りまとめ、スケールメリットを図る。
  • 専門会社との連携は、訪日旅行会社とは双方向チャーターなどの可能性がありうる。ウェブ販売会社とは深い関わりに。

稲田氏によると、商品造成をクラブツーリズムと地域旅行会社の2段構えで行なうのは、付加価値の高い商品提供とマーケット特性に沿った商品を提供するため。この両輪での商品展開を「グループの強み」と自信を示す。

すでに欧州ではクラブツーリズムが添乗員付き商品を担当。KNTの2アップ商品などとあわせた新モデルに近い形で商品造成がされており、上期(4月~9月)の販売状況は人員ベースで100%増で推移。テロの影響を受けた昨年の反動もあるとしながら、稲田氏は「しっかり数を出している」と、商品造成の棲み分けの成果を強調する。この流れを各方面に広げる方針だ。

また、仕入れについては私見とした上で、「リスクを取った方が良い仕入れができる」との考えを明かした。これは特にホテルやランドは、ハワイやグアムなど日本人比率の高いデスティネーション以外では、全世界との競争のなかでスケールメリットを取るのは難しいというのが理由。「今後はチャーターや買取などを積極化する方向になるだろう。それが旅行会社の付加価値に繋がると思っている」とも語った。

好調な上期の勢いで構造改革へ


執行役員海外旅行部長の稲田正彦氏

今上期は、ホリデイは人員ベースで前年比30%増、売上高が27%増で推移し、「今までにない形で好調なスタートを切った」とアピール。全方面が前年を上回っているが、特にハワイ、ミクロネシア方面とアジアの都市滞在型商品が強い。滞在の快適性などに注力した提案型商品も入れており、「しっかりした価格の商品にもお客様がついてきている」と自信を示す。

さらに好調の要因として、「商品の早出し」「ウェブ販売」「幅広い価格設定」の3つを上げた。特にウェブ販売では、商品の早出しをすることで売れ筋商品を見極め、その傾向や方面に近い商品をウェブで販売するなど、戦略的な販売が功を奏したという。

ウェブ販売では2018年4月、専門の販売会社を立ち上げる。海外旅行販売との連携について稲田氏は、「詳細はこれから」としながらも「ウェブはすべきことが満載。相当深く関わっていく」との認識を示した。

なお、「海外旅行交流コンベンション」は今年で15回目の開催となる。今回は158の企業・団体から220名以上の海外旅行関係者が来場。KNT-CTからは全国58拠点が参加した。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…